昼から夕方へと変わるのが
太陽の傾き具合でわかる頃、
「あのさ、錬成」
「どうしたの縮毛ちゃん」
「あたし、縮毛でさ、あんまりよくないよね」
彼女の眉毛が下がる、
毛量が多いのか眉によって、
笑顔なのかどうかがわかる。
縮毛ちゃんにとっては
コンプレックスなのだろう。
しかし!
「僕は好きだよ、毛がふさふさでボサボサで」
「本当に?」
「うん、世の中さ、全てが全て綺麗なのが好きってのはいないと思う、だから…」
僕は一呼吸おいて、
「縮毛も個性で宝物なんだ」
「本当に?」
「うん!」
彼女の瞳が輝く、
頬を染めて、僕を見つめる
「ぷっ、アンタって変わってるね」
「変人だからこそ言えたのさ」
僕は胸をはって答える。
「ちょっと待ってて錬成に渡したいものがある」
しばらくして…
「じゃあさこれで写真撮ってよ、これからさ…」
僕はカメラを渡される。
「これって…」
「お父さんが使ってたの」
「いいの?」
「もう、使わないしだって、」
彼女は空の彼方を見ていた
「そうか…うん…だね…」
僕は彼女に寄り添いたいと思った。
大切な人を失った悲しみは僕にもあったから…
「きっと髪型はお父さんに似たんだな」
「え?どういうこと」
「君のお父さんの髪型は直毛だったのかい?」
「うーん、縮毛だったなぁ、それでよく私の髪を撫でるとき、父さんの子だなって言われたことある」
「なら、繋がってるよ、例え、ここにはいないけど、血の中で、毛の中でね」
「そういうもの…なのかな…」
「うん」
彼女は僕をしばらく見て、なんだかほっとしたように胸を撫で下ろす
「錬成の言葉で元気でたよ、自分の髪に誇りもてた」
「 役にたてて何よりだよ」
「色々撮ろうよ、錬成!」
彼女が僕を見つめている
それに呼応しシャッターを切った
(あとがき)
縮毛ちゃんが生まれたのは床に1本縮毛が落ちてる画像を作りたかったというのがきっかけでした。そしたら、1枚目のボサボサの髪型にびびっときて、このような話ができた次第です。
この子を生成していくうちにあっアマガミの棚町薫ってこんな髪型してたなぁと気づき、盛り上がってました。
縮毛ちゃんの色んな姿を錬成くんがカメラにおさめるのでお楽しみに♪