09.追想 - 意思なき人形は、その約束をいつか。
かつては失うことなど怖くなかったはずなのに。
・・・
ふと昔のことを追想する。
思い返せばあの日のあたしは”らしくなかった”のだろう。
いつも通り簡単な仕事だったはずだ。
彼女が他と違ったことといえば、既に虫の息だったことだろうか。
元より病弱な身体に無理がたたったのだろう。
『――いつかこの子を故郷で待っている父親に合わせてほしい』
彼女がその最後に願ったのは自らのことではなく、
傍らで眠っていた赤子の未来だった。
命を狙ってきた相手に何を言っているのかと思った。
馬鹿馬鹿しいとその命を一瞬で終わらせることもできたはずだ。
なのに・・・あたしは、そうしなかった。
彼女の最期を看取り、赤子の面倒も見ることにした。
そのために、それまで自分を。
国を、身分を・・・その名前さえも捨てて。
母親の真似事をして、もう数年が経つ。
彼女との約束は未だ果たされていない。
それまでは、あたしがあの子を守る。
――だから、もう大丈夫。手の震えはもうない。
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