最終回「最後の鏡」
その間には、一枚の大きな鏡。
「もう、行かなきゃ。」
1人の少女が寂しげに微笑む。
もう1人の少女は必死に何かを言おうとするが、言葉にならない。
「大丈夫。ずっと一緒だったから……もう平気だよ。」
少女は鏡に手を伸ばし、ゆっくりと進んでいく。
まるでそこに新しい世界が広がっているかのように。
彼女の目から、一粒の涙がこぼれた。
「……ありがとう。」
鏡の向こうに消えていく彼女の姿。
静寂の中、鏡にはもう、自分の姿だけが映っていた。
そして、そっと微笑む。
「……さよなら。」
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