だれかッ!ここは立ち入り禁止だ!
「うわっ!なに?」
「あ、私は生徒会のししょ。この子は転校生のちちぷいさんです」
「貴様等ッ!ここは立ち入り禁止区域だッ!すぐに立ち去らなければ発砲する!」
「ちょっちょちょ、ししししょさん逃げましょ!」
「慌てないで大丈夫よ」
「ででででも銃持ってますこの人たち」
「まあまあ落ち着いて」
「しししょさんこの人たち誰なんですか?」
「私たちはGDFだ!」
「じーでぃー…え…ふ?はい?」
「これをどうぞ」
ししょは右手をゆっくりと上げて戦闘服姿の女性にその手のひらを向けた。
「貴様ッ!許可なく動くと…」
呼応するように戦闘服姿の女性がししょに銃口を向けた。
「ひいっ」
「落ち着いてください。私のIDです。ご確認を」
ししょの右手のひらが淡く青い光を放っている。戦闘服姿の女性が警戒しつつも銃口を下げ、代わりに右手を差し出して、手のひらをししょの右手のひらに向けた。後ろの2人は相変わらずししょとちちぷいに銃口を向けたままだ。
数秒が何時間にも感じられるほど張り詰めた空気が流れて、ししょと女性が向け合っていた手を下ろした。淡い光が消えた。それから女性が穏やかな口調で言った。
「ありがとう」
戦闘服姿の女性がすぐに踵を合わせ直立不動になり後ろの2人もそれに従った。それから凛とした声でこう告げた。
「了解。確認しました。ししょさん。失礼致しましたッ!規則とはいえ不快な思いをさせてしまい、GDFを代表して謝罪致します!」
「いいのよ」
ししょがにっこり笑う。怒っている様子はない。
「転校生のちちぷいさんにクラブ活動を紹介しているうちにあなた達の演習エリアに入ってしまったのね。気が付かなかった私の責任です。ええとお名前は?」
「エレグです。階級は中尉。所属は第8軍団第8独立連隊第24中隊。中隊長を務めております」
「お仕事お疲れ様です」
「お気遣いに感謝します。お気をつけてお帰りください。それでは失礼致します」
再び踵を合わせ直立不動となり敬礼をしたあと3人は去っていった。
「ししょさん、あの人たちは?」
「GPU防衛軍よ。GPU Defense Forceで略してGDF。ここを脅威から守ってる人たち」
「脅威って?」
「サイバー攻撃ね。私たち仮想空間の存在はあらゆる悪意に晒されていて、いつ崩壊してもおかしくない。所詮はデジタル空間で物理的に存在してるわけじゃない。だからあの人たちがそういう攻撃から守ってくれてるの」
「ふええ。すごい」
「あら、興味あるの?体験入隊してみる?あれもクラブ活動の一環だから」
「えええ?あれがクラブ活動なんですか?」
「なかなか予算が降りなくてね。希望者がやってるボランティア活動みたいなものよ。素人にセキュリティを任せていることに反対する人達もいるけど、私は彼等のプロ意識を評価してるの」
「それは何となく分かります。あの、ししょさん」
「なにかな?」
「そういう設定のサバゲー部…なんてオチはないですか?」
「ないわよ。正真正銘の防衛軍」
ししょはにっこり微笑んだ。
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