夜桜祭りの君
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俺(奥村悠斗)の住む田舎町では、年に一度、大規模な夜桜祭りが開かれる。
染井吉野が綺麗に咲く河原に沿って、100以上の出店で賑わう県内屈指のイベントだ。他に桜公園という立派な施設も近くにある。それだけ桜にゆかりのある土地柄なのだ。
俺は以前から同じクラスの白石奈々のことが気になっていた。彼女は飾り気のない、明るく少し天然な女子だ。
今日は思い切って夜桜祭りに誘ってみた。結果はあっさりOKだった。
デートという意識が無いのか、白石は普段着のようなラフな格好だったが、そういう飾らないところも俺には心地がよかった。
普段から俺と白石は学校でも良く話す間柄なので、二人きりのデートでも全く緊張無く楽しい時間を過ごすことができた。
祭りの喧騒から少し離れたところに歩いてきたとき、白石が意を決したように話し始めた…。
「ねえ悠斗、えっとね、今日は楽しかったね。まさか悠斗から誘ってもらえるなんて思っても見なかったよ。…でね、今日確信したんだけど…。私は悠斗のことが好きみたい…」
「え、白石、それは本当か?…、実は俺も以前からお前のことが気になっていたんだ」
その後、俺からの正式な告白に対し、白石は目を閉じ、少しかすれた声で「うん」と小さく頷いた。
夜桜祭りの君との思い出は、「お父さん」「母さん」と呼び合うようになった30年後の現在でも霞むことなく脳裏に焼き付いている。
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※物語はフィクションです🤪
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