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この世界にはかつて 魔王が実在していた。

魔物を引き連れ 魔界より現れた魔王とその配下の者達。
彼らを目の当たりにした当時の人族は、
得体の知れない魔族たちを恐れ、
世界から排除しようと攻撃をするようになって行った。

その行為に即座に魔族側も応戦し、
互いに何も知り得ぬまま 事の事態は大き広がった。

人族は各々他国と手を取り 魔族との戦争のため、
この時 多くの連合が出来上がった。

そして開戦から数年の時が経ち 少数精鋭の、
とあるパーティーが魔王の眼前まで辿り着いた。
すると魔王は彼らに向けて一人... 語り始めた。

「よくぞここまで辿り着いてくれた。
 私はこの日を渇望し 待ち望んでいたんだ。
 ...そう身構えなくても 私にはうぬらへの敵意は無い。
 少し私の いや魔族や魔界の話を聞いて欲しい、
 ただそれだけなんだ」
 
切実に話す魔王を目にしたパーティーのリーダーは、
手を上げ 仲間に武器を下すよう指示をした。
少しの間を空け 口を開いた。

「魔王よ 俺たちは貴方の話を聞くことにした。
 だがその前に この大部屋が安全な場所かどうか、
 少し確認がしたいがいいだろうか?」

「かまわん。
 この部屋には私一人しかいないはずだがな。
 満足するまで見るがよいさ」

一行は一通り部屋を確認し、
魔王と話す準備を整えた。

「よし... うぬらの意向に感謝する。
 それでは話すとしよう......」

魔界は滅びの危機に直面していた。
それは食い止めることができず、
時期を待つしか本来 手が無かったはずだった。
だが 他の異界と魔界を接続することにより、
世界の因果を歪めることができれば、
回避することが可能だと知り得ることができた。

世界を救うため 魔王は数多の魔族を統治し、
来たるべく時に備え 次元や歪みを研究した。
その結果 転移魔法を完成させ、
魔族たちはこのアイアスへと辿り着いた。

「...そこからはうぬらも知る通りだ」

「すまなかった魔王...。
 今の俺には謝罪を述べる事しかできない」

「あぁ それは大丈夫だ。
 うぬら含め この世界の者たちが
 私たちへしてきた行いの全てを許すことはできぬ。
 だが 以前からこうなるだろうと覚悟はしていた。
 そして、
 この戦争を終いにする方法も考えていたのだよ」

「...教えてくれ 俺たちにできることなら協力する。
 戦争を終わらせるのが 俺たちの目的でもあるからな」

「うむ...
 この方法はうぬらの協力なしではできぬからな。
 なに とうにわかりきっている簡単なことさ。
 私をうぬらの手で殺したまえ...。
 それが それだけが終結に導く簡潔な解決策だ」

「......」

「この戦争はうぬらの国が亡びるか、
 魔族を統べる私が倒れるまで終わらぬだろう。
 どちらの方が犠牲が少なく済むかはわかるだろう?
 ならその選択を取った方が良い。
 私は... ...」
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どうもアヤナギです。
まだ書いてる途中ですが、
とある用事で日を跨ぎそうなので、
この時点で投稿しました。

続きは明日の夕方までには書きますので、
最後までお読みいただければと思います。

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