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【ルースト005データベース調査報告書③】
恐ろしいほどの防御力を持つMSR-003だが、その攻撃は至って静かだ。
彼は、人々に直接攻撃したりはしない。
ただただ、光合成を行うのみ。その変換能力が人知を越え、大量の酸素を作り出すとしても、MSR-003に悪意はないのだろう。
しかしMSR-003が10年活動すると、大気中の酸素濃度は30%上昇するというデータがある。高すぎる酸素濃度は人間の肺に負担をかけ、やがては死に至る。
宇宙に移民するか、肺を強化して環境に対応するのか。どちらにしても人類社会には大きな負荷がかかるだろう。

しかし、MSR-003は何の目的で産み出されたのだろうか? 兵器としては制御が難しく、かつ緩慢な効果であり、有効性が高いとは言えない。
これは兵器ではなく、テラフォーミングを目的とした、一種のツールに過ぎないのではないだろうか。

だがいま”神の繭”を目覚めさせるのであれば、羽化後のそれを排除する方法はないのだから、兵器として機能するだろう。越夜隊の目的とする『夜』が達成されるかもしれない。支配者はそれを望まないかもしれないが……。

呪文

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