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私は橋頭堡を確保するのに有利な情報を得るためここニューオオスへ入った。ここは貴重なネタも勿論あるがそれ以上にガセをつかまされる方が圧倒的に多い。なんとかつてを辿って(高い金を払ったが…)信頼出来る情報屋と会う事になった。
ニューオオスへ着くと一人の少女が私に声を掛けてきた。

口利き「やっと来た。アタシは口利きのファル。後を付いてきて。目的の情報屋の所までアタシが案内する。ここは物騒だからアンタみたいな余所者はすぐにカモられる。アタシを見失ってどこかへ迷い込んだら生きて帰れるとは思わないで。分かったら付いてきて。」

こちらが何かを話しかける前にファルという少女は言いたい事を話すと歩き出す。私は慌てて後について行く。

スラムの住人「おっ、ファルじゃん。なんだそいつ。新たなカモかあ?」

口利きのファル「うっさ、話しかけんな。」

スラムの住人「おーこわ。今日は一段と不機嫌だなあ。くくくっ。」

スラム街の花屋の店員「あら!ファルじゃない〜。いい花が入ったのよ。どう?」

口利きのファル「ありがとうおばさん!後で寄らせてもらうね!」

(・・・人によって表情が別人の様にコロコロ変わる。上手く使い分けているんだな)

口利きのファル「…なに?」

「いや、なんでも。」

口利きのファル「そ。言っておくけどあの情報屋に合わせるのってかなりレアだから。普段なら他のヤツに引き合わせてガセ掴ませたりするだけど。」

(聞かない方が良かった・・・)

口利きのファル「今回はアタシが世話になった人からの紹介だからちゃんと送る。アンタあの人から紹介されるって事はそれなりに信頼できるヤツなんだろうね。」

そう言うとファルは少し頬が緩む。その顔は演技ではなく年相応の少女の様に見えた。

口利きのファル「なに?」

「いや、なんでも。」

口利きのファル「アンタさっきからいや、なんでもしか言ってないよ。大丈夫?」

「・・・・・」

まあとりあえずこの子は信用出来そうだな。なんとなく直感でそう思った。



口利きのファル
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