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「大本営から連絡。各隊はルースト005に向かいこれを制圧せよ、とのことです」
ニューオオス、フラットランド、ニューカナヤマを占領されたものの、越夜隊は無事ニューナゴヤドームの制圧に成功した。
武器弾薬、エネルギーに不安は残るものの、安定した拠点を手に入れたのは越夜隊にとって大きな戦果だ。
戦闘で負傷・疲弊した者を収容するには絶好の場所と言える。
兵にも休息は必要だ。シンカロンならまだしも、人の身であれば猶更である。

「スカイペネトレイターはどーすんの?」
「あちらは害鳥駆除に手こずっているようですわね。戦力があちらに向いている隙に、我々はルースト005を占拠せよ、とのようですわ」
緊張感の無い声で質問してくるアーシラと、それを丁寧に返すアンディリカ。
どうやらスカイペネトレイター方面は苦戦しているらしく、大本営は向こうは望み薄とみて放棄するらしい。
ならばと、越夜隊優勢であるうちにルースト005を確実に占拠するために戦力を割くようだった。
「…アンジュ様と連絡が取れました。ルミナス様も時期ご到着とのことです」
ルミナスの名を聞いてアンナローズ派の隊員達は沸き上がった。
教義の下で動く彼女達ではあるが、その彼女達を支えているのは他ならないルミナス・アンナローズという人物だ。
アリシアはインカムを掴むと、己の派閥の隊員に聞こえる様に声を荒げた。
「各員気合を入れなさい!ルミナス様の前で無様な戦いは許しません!!」
通信を切ると、エネルギー補充と冷却の為に待機していた人型兵器シンカロンの足元を蹴り上げる。
「聞いていたでしょう?行きますよアンタレス、お仕事です」
『やれやれ、また最前線かい?』
「当たり前です、いつだって矢面に立つのは我々なんですから」
アンタレスの稼働音を確認すると、弾薬の入ったバッグを担いで歩き出す。
「『全ては、我が主の望むままに』」


越夜隊 -アンナローズ派-
危険度の高い武装集団で知られる越夜隊の中でも,穏健派の少数派閥.
教詞長ルミナス・アンナローズを筆頭とする派閥で,人やシンカロン問わず全員が女性で構成されている.
過激派の多い越夜隊に珍しく,話し合いをモットーとしているらしいが,だが忘れてはならない。
どんな顔をしていようとも,彼女達は人造教義を盲信する武装組織『越夜隊』であることを.

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