誘い
「おはようございます。センパイ」
ひとつ下の学年の深瀬リナ。校内では知らない者のいない有名人だ。小さく幼い顔に、似つかわしくない大きな胸。声をかけられて喜ばない男子生徒はいない。
「え、あ、おはよう…ございます」
とはいえ俺は彼女と面識もない。急に挨拶されてドギマギしてしまう。
「あのぉ、ちょっとお願いがあるんですけど、聞いてもらえます?」
つぶらな瞳をキラキラさせて迫ってくる彼女の勢いに押されて、俺は首をこくこくと縦に振る。
「今日の放課後、グラウンド北側の体育倉庫に来てもらいたいんです」
え?なんで?体育倉庫?俺が?
「じゃあ待ってますねー。あ、来なかったら、酷いことになりますよー。私しつこいんで」
頭の中でクエスチョンマークがくるくる回る俺を置き去りにして、リナは手を振りながら行ってしまった。
え?行かないと酷いことって…どうなるの?
(R-18に続く)
呪文
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