ノーマ・ジーンさんを天国からビーチに招待してみた
アメリカの当時のグラビア雑誌を古書店で見つけ家に帰る道、不思議なくじ引きを見つけた。声をかけられて1回くらいいいかとガラガラを回せば出てきたのは金色の玉。
『お? 一番良いのを当てたね』
そう言って店番のおばあさんは不思議なチケットをくれた
【天界召喚チケット】
「何これ?」
『それは特別なチケットでねあなたが会いたいと思う人を2日間だけ天界から地上に呼び寄せてくれるのさ』
「つまり亡くなった人に?」
『そう、呼び出せるのは誰でもいいよ』
とは言っても困った。両親も健在だし、死に別れた恋人もいない。特別呼び出したいという人はいないのだ。
「誰でもいいって自分が出会ったこともない人も?」
『もちろんさ。その人に会いたい場所に行ってチケットを使えば、その瞬間から2日間、自由に過ごせるのさ』
「分かった使ってみるよ」
俺は騙されたと思って本当にそれは使ってみることにした。
アメリカのウエストコーストのロングビーチに行くと2日間ホテルを取る。そして太陽の降り注ぐビーチでチケットを使った。
「本名ノーマ・ジーン、芸名マリリン・モンロー」
そう唱えてチケットを切った瞬間、あふれる不思議な扉が開いてその向こうから現れたのは――
「あら? ここウエストコーストじゃない。なんで呼ばれたのかしら」
定番のセクシードレスに身を包んだ金髪の美女、史上最高のセックスシンボル、マリンモンローだった。俺は彼女に事情を説明した。
「へぇ、じゃああなたがこのビーチで2日間エスコートしてくれるってこと?」
「俺でよければ」
彼女はニコリと笑う。
「天国って平和だけど想像以上に退屈なのよ。この時代のリゾートを楽しむのも悪くないわね」
そして彼女をホテルに招待し、まずは彼女に、この時代の水着をプレゼントする。もちろんビキニだが、マリリンが現役だった頃とはデザインも布の大きさも違う。
「ワァオ、この時代の水着ってすごく大胆なのね」
「お嫌でしたらワンピースもありますけど?」
「いいえ、これくらい平気よ」
「よかった」
彼女に渡したのはマイクロビキニ。大胆すぎるので嫌がられるかと思ったら、そこはやっぱり世紀のセックスシンボル。抵抗なく大胆に着こなしてみせる。
「それじゃ行きましょうか?」
「ええ」
俺は古式ゆかしく左肘を差し出して彼女にすがらせる。そして彼女をロングビーチへとエスコートしたのだった。
呪文
入力なし