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明くる朝。
超高効率発電設備”コバルトジェネレータ”を求めて、廃墟と化した発電所内を探索していた時だった。

「あらぁ~、可愛らしい旅人さん。ちょっとお話、いいかしら?」

背後から飛んできた甘い声に振り返る。
そこには、明らかに異様な雰囲気を漂わせた一人の修道女が立っていた。
風になびく銀色の長髪は、鋭い陽射しを受けて美しく輝いていたが、瞳は血の色に染まっており、焦点が定まっていない。口の端は不自然なほどに吊り上がり、そこから覗く歯の列は、肉を引き千切れそうなほど尖っていた。
身じろぎするたびに、ギチギチ、カタカタと、金属が擦れるような音がする。

「このあたりで、ガスマスクのお兄さんを見なかったかしら? 私、あの人のこと捜してるのよねぇ~」

相変わらず大げさな抑揚のある甘ったるい声を発しながら、彼女はじりじりとチヨとの距離を縮めていく。
修道女の瞳が、品定めでもするかのように落ち着きなくチヨの体を這い回り、肩に縫い付けられたフクロウの紋章で止まった。
と、次の瞬間、修道女の態度が豹変した。

「――!! 貴様…! 黄昏梟!!」

修道女は隠し持っていた真紅の剣を振りかざし、悪魔の形相で吠えた。長い袖がめくれ、機械の腕が露わになる。
そう、彼女は黄昏梟の敵。狂信的武装集団”越夜隊”!
咄嗟に後ずさったチヨの腹部を、真紅の刃が掠めていく。上着の一部が切り裂かれたが、肌までは達しなかった。
修道女はもう一歩踏み込み、振り切った腕をそのまま逆方向に返した。反撃を予測していたチヨは、相手の間合いの外へと後ずさった。

(危なくなったら反重力で逃げる。でもまだ温存…ギリギリまで相手を引き付けて…)

幼きフクロウの知性ある瞳が金色に輝く。そこに映る修道女の口が、どういう訳か三日月型に弧を描いた。

「…少しはできるようね。でも、残念ながらここまでよ」

剣が瞬く間に伸長し、巨大な真紅の鎌へと変貌する。急激に変化した相手の間合いに、チヨは対応しきれずによろめいた。
間に合わない!
刃が肉をえぐる様子を想像し、思わず目をつぶる。死を覚悟したその瞬間、乾いた銃声が修道女の身体を貫いていた。

***

「…立てるか?」
「あ、はい、もう大丈夫です」

ガスマスクの男は、自分は”鴉天狗部隊”の一員であると紹介した。研究者が調査に集中できるよう周辺警護に当たる、黄昏梟の武装部隊だ。
仕留め損ねた越夜隊を追って発電所内に踏み込んだところ、交戦中のチヨを発見したというわけだ。

「一人では危険だ。このあたりには暴走した機械兵器や、先ほどのような狂信者が徘徊している。近くのキャンプまで送ろう」
「…あ、ありがとうございます」
「なに、困った時はお互い様さ。さあ行こうか」

ガスマスクに隠れた彼の口角が、少しだけ上に向いた。チヨはそう感じた。
_____

長くなってしまった~!
鴉天狗部隊の設定がかっこよかったので、以下の2作品を参考にお借りしました!
https://www.chichi-pui.com/posts/452b8448-aebc-499d-8540-eb4d3cfec566/
https://www.chichi-pui.com/posts/18718424-c19d-46d4-9fe5-7f0ccfa1fb2b/

※キャラクターや設定をお借りしていますが、今後の展開を縛るものではございません。
 お気に召さない場合は、パラレル扱いもしくはスルーでお願いします。

呪文

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イラストの呪文(プロンプト)

jacket partially removed, heart in eye, burnt clothes, holding fishing rod, kanji, doujin cover, pentagram, tape gag, adjusting headwear, red socks, friends, cloud print, coke-bottle glasses, oral invitation, competition school swimsuit, barbell piercing, gradient legwear, prisoner, blood on breasts, wind chime, carrying over shoulder, tape measure, flaming weapon

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