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「いい考えがあります」とAI"のぞみ"の提案で地上に降り立った、その途端、スーツが光の粒子となってノコの身体から離れ別の場所で再構成されいく

のぞみ「この姿では久し振りですね、私の起動試験後の引き渡し以来ですか」

"シンカロン タイプN700 【のぞみ】"久しぶりに見る相方の姿がそこに居た
彼女はノコに言い聞かせるように話し始めた、『神の繭』は今の地球文明の程度を知ってゲートを開いたがそれは自分達よりも劣っていたから、しかしそれ以上の技術を持つ物体を取り込んだ場合再びゲートを閉じるのではないかと、それが今可能なのは2100年代の技術で作られた"のぞみ"しかいない

それは賭け、もしそれでもレベルの差が上回っていなかったらこの行動は無駄になってしまう

ノコ「嫌だよ、他に方法があるはずだよ…いきなりサヨナラなんてそんなの嫌だ...私も一緒に行く」
のぞみ「ノコ...今彼処にいる【アレ】は1体だけなら私達でも倒すことが出来ます、でもその後はどうでしょうか?文明を維持・発展しているのは"月の民"と僅かな都市だけ、全面戦争になれば勝ち目はまずないでしょう」

泣きじゃくるノコを宥める様にのぞみは言った

のぞみ「もう、せっかくの美人が台無しですよ、私はあなたに笑って生きて欲しいから蓋を閉じに行くのですから」
ノコ「でも...」
のぞみ「また直ぐ会えますから、大丈夫...」

「そんな気休め...」とノコが言い切る前に"のぞみ"はノコを振り切るように飛び立ちゲートの中に突入していった、そこから先は5分も経たない間の出来事、ゲートから巨大な光が空に向かって延び空が一瞬だけ暗転し後は元の何もない青空に...『神の繭』があった場所は巨大な凹みだけ残し跡形もなく消滅していた

ノコ「ばかあ…のぞみが居ない世界で笑えるわけなんかないのに人の話を聞かずに…のぞみのあh…」
地面に涙がこぼれ土にしみて消える、平和になった筈なのに全然喜びなんて感じなかった

???「...コ、ノコ?」

誰かに自分の名前を呼ばれた気がした、しかしこのニューナゴヤには誰一人知り合いなんていない、それなのに...周囲を見渡しても誰も居ない、スーツの腕に装備されている小型端末から【Upload finished】が表示されると

AI「だから言いましたよね、またすぐに逢えるって」

困惑するノコにAI"のぞみ"は語る

AI「大昔のロボットアニメじゃないのですから、クラウド空間に人格データのバックアップ位とっていますよ、残念ながらゲートに突入した以降のデータと身体の大半はもうこの世界にはありませんが」
ノコ「もうおおお、それを早く言いなさいよ」
AI「やはりノコは笑うと可愛いですね」
ノコ「それ今言う事なの!、でも...でも...良かった...」

『神の繭』が本当に消えたのかは知る術はなかったが少なくても今すぐ人類が危機に陥るという事だけは無いだろう、こうして一連の出来事は静かに幕を下ろした

-完-

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