もちさんの「ススキ草原の彼女」のアナザーストーリーですw
https://www.chichi-pui.com/posts/e13e0260-771d-4743-b672-94d741af2377/私はアリス、都会の喧騒から逃れるため、自然の中で自分を解放するのが好きな16歳だ。今日は、いつものようにススキの草原でビキニ姿になり、自由を感じようとやって来た。私にとってこの草原は、自分だけの特別な場所。誰もいない静かな空間で、風に吹かれるだけで日々のストレスを忘れられる。けれど、その日見た光景は、私の平穏を一瞬で壊してしまった。
草原の中央には、何人かの男たちと、中心でポーズをとる若い女の子、ゆきがいた。彼女はビキニ姿で撮影されており、次々と服を着替えながらカメラの前で指示に従って動いていた。しかし、彼女の動きにはどこか不自然さがあり、撮影現場には異様な緊張感が漂っていた。そして、ゆきの姿を凝視している一人の男――ススキイチロウ。彼は草むらに隠れるようにしゃがみ込み、汗ばんだ顔でゆきを見つめていた。その姿は、ただの見物人ではない。彼の目には、愛情とはかけ離れた執着と狂気が宿っていた。
イチロウは、ゆきの一挙一動を見逃さないように目を大きく見開き、時折その舌を唇の端で舐める仕草をしていた。彼の手は震え、太ももの上でしきりに握り締めたり、ゆるめたりを繰り返している。まるで彼女の動きに合わせるかのように、イチロウの息遣いは荒くなり、胸の上下が激しく波打っていた。
イチロウは、ゆきがポーズを変えるたびにその姿を脳裏に刻みつけようと、まばたきすら惜しむように見つめ続けていた。彼の目には、彼女が自分だけのものであるかのような錯覚が浮かび、その視線は彼女のすべてを舐め回すようだった。特に、ゆきがビキニ姿で腰をひねり、カメラに視線を向けるとき、イチロウは歯を食いしばり、まるで自分の中に抑えきれない何かを閉じ込めようとしているかのようだった。
その時、イチロウは草むらでゆっくりと手を伸ばし、ポケットから小さなボイスレコーダーを取り出した。そして、彼は震える手でそのボタンを押し、ゆきの声を録音し始めた。撮影の合間に交わされる彼女の無防備な笑い声や、小さなため息さえも一言一句逃さずに収めようとしているようだった。彼はその録音を、自分だけの宝物にするかのように大事に扱い、時折、イヤホンを耳に押し込んで彼女の声を聞きながら、陶酔したように目を閉じた。
しかし、それだけではイチロウの狂気は止まらなかった。彼はさらにポケットから何かを取り出し、手に持ったままゆっくりと自分の太ももをなぞるように撫でた。ススキの草が彼の動きを隠しているが、イチロウの動作は徐々に激しさを増し、その指先には異様な執念がこもっていた。
「ゆきちゃん…俺のゆきちゃん…」と、イチロウはうわごとのように呟きながら、ゆきがカメラに笑顔を見せるたびに自分の体をゆっくりと揺さぶり始めた。その動きは徐々に大きくなり、彼はまるで草むらの中で踊っているようだった。イチロウの手が止まることはなく、彼の呼吸はますます荒く、草の中で湿った音が不気味に響いていた。
ついに、イチロウは震えながら自分を解放した。その瞬間、彼の表情は恍惚と苦悶が混ざり合い、目は虚ろなまま空を見上げていた。彼は全身でその瞬間を味わい尽くし、ススキの草に広がる痕跡を見つめながら、声を押し殺して笑った。その笑いは、彼の異常な欲望と狂気が表面に現れたものだった。
「これが…人生最高の…エジャキュレーション…」イチロウはその言葉を呟きながら、自らの行為に満足げに倒れ込んだ。彼にとって、ゆきを見つめながらのこの行為は、普通の人間には理解できない狂気と変態の頂点に達する行為だった。
私はその一部始終を目の当たりにし、身の毛がよだつ思いだった。イチロウはただのストーカーではなく、ゆきに対して異常なまでの執着心と狂気を抱えている。彼の行動は、愛情や憧れとは程遠い、病的な独占欲に支配されていることが明らかだった。そして、イチロウがどれほど危険な存在であるかを目の当たりにし、私はこの場所がもう二度と私にとっての安全な空間ではないことを悟った。
草原を去るゆきの背中を見送るイチロウの目には、深い狂気が残り、彼の行動がますますエスカレートしていく予感が漂っていた。彼がどこまでゆきを追い詰めるのか、そしてその執着がいつか何か取り返しのつかないことを引き起こすのではないかという恐怖を、私は胸に抱いたまま、その場を立ち去るしかなかった。
数日後、アリスは新聞の記事を見て驚愕することになる。そこには、ゆきに執拗に付きまとっていたストーカーの男が逮捕されたという見出しが踊っていた。記事には彼の名前が「もち」と記されていたが、顔写真は間違いなくあのススキイチロウだった。あの草原で目撃した異様な光景が、ただの狂気の一幕ではなく、現実の恐怖へと繋がる事件だったことを知り、アリスは改めて彼の異常性を思い知らされるのだった。