-_-
「……?」
パソコンの画面をじっと見つめる。
おかしい。さっきまで普通に動画を見ていたはずなのに、画面がノイズだらけになっている。
「壊れた……?」
そう思った瞬間――
スッ……
画面の中から、白い指が伸びてきた。
「えっ?」
驚く間もなく、その指は画面を押し広げるようにして、小さな顔がひょっこりと覗いた。
ポニーテールの髪がふわりと揺れ、大きな瞳がじっとこちらを見つめる。
「やっと出られた~!」
ニコッと無邪気に笑うと、彼女はひょいっと画面から抜け出し、机の上にちょこんと降り立った。
「え、えぇぇぇ!?」
少女が、何事もなかったかのようにぴょんぴょん飛び跳ねる。
「こっちはずっと見てたんだけど、やっとこっちに来れたんだよね~♪」
「……え、ずっと見てた……?」
「うん! あなたが見てるの、こっちからも見えてたもん!」
さらっと恐ろしいことを言いながら、少女は画面の上をトコトコ歩く。
「さて、と。こっちの世界、ちょっと探検させてもらおっかな♪」
「え、ちょ、待っ――!」
少女はそのまま部屋の中へ駆け出していく。
果たして彼女は何者なのか、そしてどうすれば元の世界に戻せるのか――
それは、まだ分からないままだった。
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