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フラットランドを目指す途中、進路の脇道にある森が目にとまった。
 特別な理由があったわけではない。なんの変哲もないただの森である。自然が逞しくも残酷に文明を飲み込んだこの”黄昏の時代”では至って普通の光景__のはず。

 誘われるようにして森の入り口に立つ。心なしか、森の奥にほのかな明かりが灯っている。
 MUNIの計測が乱れている。こんなこと「終末事変」以来だ。
 予定変更。本来なら黄昏梟のやつらの仕事だろうが、逸る好奇心がもう足を動かしている。フラットランドはこの森を探索してから行くことにしよう。



 ん?何ヲ言っているんだ私は。初めかラ今日はこの森ヲ目指しテいタではナイか。


 カラーン____ カラーン____
 森の奥に進むにつれて、遠くから鐘の音が聞こえてくる。



 ああ、心のどこかではわかっていたはずなのに。
 この先に進めば、私はもう戻れないと。

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