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「危ないっ後ろだ‼️」

30階を越えた辺りから敵の密度が目に見えて増していった…
数えるのが馬鹿馬鹿しくなる程の数の敵を潜り抜け、何とか進む俺達スカイペネトレイター攻略部隊にも幾度と無く危機が襲いかかる

既に脱落した味方の数は両の手を越えた
敵は増えるのに味方が減ると言う悪循環…

俺にも親友にも疲労が蓄積していく
それに伴って油断からの隙が生まれ…

部隊で最強を誇る親友すらも飲み込まれる
敵を倒した一瞬の隙をつかれ…避けようの無い攻撃が襲いかかる

「しゃがめーーーーー‼️」

今度は俺が守るっ
絶対に死なせない

「はあっはあっはあっ…危なかったな親友」

「お前に助けられる日がくるなんてな…お前の声を聞くまで…一瞬もう死んでもいいかって諦めちまったよ」

こいつは何を言ってるんだ
お前にも待ってるやつがいるだろ?
学生時代から良く一緒につるんでた婚約者が待ってるんじゃ無いのか

「何言ってるんだ?お前には今ルース卜005に帰ってる婚約者が待ってるだろ?お前が死んだら俺はあいつに何て言えば良いんだ?」

「婚約者…婚約者か…そうだったな…お前にはそう説明したんだった…なあ、知ってるか?学生時代あいつはお前の事がずっと好きだったんだ」

「え、そうだったのか?そんな素振り無かったじゃないか…俺はてっきりお前といたいから一緒にいたんだって思ってた…」

いきなりこいつは何を言ってるんだ?

「ハハ、お前はそう言うやつだよな。お前以外の皆が気がついてたって言うのによ。俺は傷心のあいつの心の隙をついただけさ。お前は良く俺を羨ましいと言うが…俺にはお前こそが羨ましかった…いつも人の輪の真ん中にいる。人に好かれ、俺が好きになった女の心も全部奪っていきやがった。でもな…お前を嫌いになった事は一度もない…ずりぃよな…憎めないんだよお前を…お前が良いやつ過ぎて…憎めないんだ…」

「親友…」

知らなかった…こいつがこんなことを思っていたなんて…
こいつはヒーローだったから
常に運動でも成績でも一番で
俺の目標だったこいつが

「死んだよ…あいつは…今のお前みたいに俺を守ろうとしてな…でも、その事実を認めたくなかった。あいつはルースト005に帰ったんだってそう思い込もうとした。もしくはお前と結ばれてれば…今も生きてたんじゃないかってな…馬鹿だよお前もあいつも…こんな薄汚い俺なんかを守ろうとしてな…いつだって死ぬべきは俺の方なのに…だが、一番のバカは俺だ…お前に守られてようやく認めることが出来たんだからな…」

あいつが死んだ‼️
そんな…あんなに仲良さそうだったのに…
お前は心の隙をついたなんて言ってるが…
そんなことはないだろ
お前の優しさに少しずつひかれあっていったのを知ってるぞ

だからこそ…お前達の結婚式を楽しみにしてたんだ…

「進むぞ…お前はまだ間に合う…俺とは違ってな…こんなところで立ち止まってる暇はないだろ?お前のお姫様を助け出すぞ。マンマ・ミーア‼だろ…」

「馬鹿やろう…つらいときまで笑うんじゃねえよ…俺達は親友だろ?もう少し俺に頼れよ。俺はお前が憧れた男なんだろ…だったら…だったら」

「ああ、そうだな。もっと早くそうするべきだったんだろうな。すまない…今度あいつの墓参り付き合ってくれるか?」

「当たり前だ‼️」




「進もう…だいぶ隊から遅れちまったな…」

「良いさ、皆もわかってくれる。普段お前に助けられてる分今度はお前が助けられる番だってだけだ。俺達は対等な親友なんだからな…」





後書き的な何か
親友さんの闇がはき出せたかなって。
下手に強かった分誰にも頼れなくてずっと溜め込んでいました。
ずっと自分を攻めながら

これからは本当の親友になれるんじゃないかなって

ちなみに今が38階
エンクさんは空を飛んで50階スタート
まだまだこれからですね…

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