謎の五十嵐さん4【短期連載小説】

2024/02/18

使用したAI Stable Diffusion

昼食が終わり、次の取引先に向かう途中、あなたは社用車のガソリンが少なくなっていることに気が付きました。

ちょうど走っている先にガソリンスタンドの看板が見えてきています。

ウィンカーを出してガソリンスタンドに入ると店員さんが声を上げて誘導してくれます。

「オーライ、オーライ、オーライ、オーライ、はい、オッケーでーす。」

初めて入るこのガソリンスタンドはセルフ式ではなく、店員さんが給油をしてくれる昔ながらのスタンドのようです。

店員のお姉さんが車の誘導が終わると運転席のこちらのほうに近づいてきました。

あなたはパワーウインドウのスイッチを押して窓を開け、近づいてきたお姉さんにレギュラー満タンと伝えながらお姉さんの顔を見た瞬間、思わずお姉さんに向かって叫びました。

『い、五十嵐さん？五十嵐さんですよね。今日午前中にお会いした。』

お姉さんは戸惑うような感じで言いました。

「いえ、違いますよー。お客さんに会ったのは今が初めてですねー。」

あなたは五十嵐さんから受け取った写真付きの名刺を名刺入れから出してお姉さんに見せようとしましたが、名刺入れに確かに入れたはずの名刺は入っていませんでした。

『そ、そうですよね。勘違いしちゃいました。あはは。』

うろたえながらも、あなたはその場を笑ってごまかし、給油が終わるのを待ちながら、午前中に覚えた違和感の正体に気が付きました。

『そうか、コンビニのお姉さん、取引先の五十嵐さん、レニーズのお姉さん、ガソスタのお姉さん、みんな顔が極めて似ているんだ。
いったい何なんだ？今日という日は。いくらかわいいお姉さんとはいえ、他人の空似も４回続くとさすがに不気味なものを感じざるを得ないな。それにもらったはずの名刺も見当たらないし…。』

給油が終わり車を走らせながら、あなたはそう独り言ちるのでした。

つづく

※フィクションです。

【前回】
謎の五十嵐さん3【短期連載小説】
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【次回】
謎の五十嵐さん5【短期連載小説】
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