昔話風
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https://www.chichi-pui.com/posts/d53efea1-9ea0-4fbf-a5f8-790d541152a9/ 最初に考えてたのは、警告しつつ、薬を求めてやってきた人物に
現地価格(市場価格よりはお安め)で採取して乾燥させておいた花を
売りつつ、時には案内して花の採取に付き合ったりと変貌した森の
話みたいな感じだったのに() まぁ、えちえち書けたしヨシ。
「その後、俺はここでこの森の番人として一生を過ごす事と犠牲者
を弔う事を罪の償いとされたわけだ」
「そう……だったんですね」
夕食を食べながらそんな風に話を締める。
「その……なんで、警告したのに他の人は入るのでしょうか」
「簡単な話だ。この森の奥には俺達のお宝があると噂が流れた。
壊滅の経緯は話した通りだ。それにどう尾ひれがついたのやら」
「そ、それで、やって来ていると言うのですか!?」
「俺に言うな。まぁ、宝というかそれまで集めてたブツや金は仲間
の死体の回収ついでに国に手間賃として取られたから既にない」
なので、警告ついでにそれも言うが、宝に目がくらんでいる連中
には聞こえないらしい。男も女もな。
「そうなんですね」
納得してもらえたところで、一つ言っておかないといけない。
「それはそうと、知識としてはあると思うが」
「大丈夫です。い、今のところはですが」
「どうしても辛くなった時は遠慮なく言え」
「わ、分かりました」
香水の副作用……場合によったり体質によったりするのか、出た
り出なかったりとこちらもいまだに研究が多い代物だ。何事もなけ
ればとは思うが、そんな考えは実に甘かった。
「きたか」
「はぁ……はぁ……す、すいません」
「どちらかといえば、こちらが謝罪案件になるのだがな。しかし、
命か貞操のどちらかを捨てろとは……本当に面倒な花だ」
夜。念のために起きていたが、予想通りというべきか。香水の副
作用によって発情してしまった彼女が俺の部屋にきた。
「身体が熱くて……どうにも出来なくて」
「まぁ、ここに来る時に書類にサインしているから覚悟はしている
とは思うが、良いんだな?」
「は、はい……お願いします。このままだと狂っちゃう」
「一応聞いておいてやる。経験は?」
「な、ないです……けど、もうだめぇ」
崩れ落ちそうになる彼女をベッドに運びキスをしながら足を開か
せると、下着は着けておらず、既に受け入れる準備は出来ていた。
「あぁん、ふ、ファーストキスですよ」
「そうか、そいつは光栄だな。入れるぞ」
「はじめてなのに、大きいのがすぐに入ってぇ、いくぅっ!! いっ
ぱい……もっと、もっとしてぇっ!!」
昼間のどこか遠慮していた姿とは打って変わり、副作用のせいと
はいえ発情している彼女はこちらを貪欲に求めてくる。
何発出したか……こちらも久々にまともに抱く女なのと、副作用
のせいか、夜通しでやったのは言うまでもないが。遠慮する余裕は
なかったと言っておく。
「はぁ……はぁ……は、恥ずかしい」
顔を枕に埋めているが、お尻は丸出しでフリフリと動かしている。
なので、遠慮なく入れることにした。
「そこぉ、お尻ぃっ!! あぁん、おかしくなるぅっ!!」
入れてほしそうにしてたのでお尻もいただいた(事前にしっかり
と洗っていたようなので覚悟はあったようだが)
最後はその可愛らしい口で処理をしてくれたので、飲ませたのは
言うまでもない。
「はぁ……あ、貴方に全部あげ……いえ、奪われちゃいました」
「ふっ。この場合、どういうべきかな。御馳走さまで良いのか」
「も、もうっ」
こちらの胸を軽くぽかぽかと叩いてくるのも心地よく感じる。
「あの……せきに……いえ、なんでもありません」
「あぁ、それで良い」
彼女の経歴は来る前に送られてきた資料を見て知っている。結構
良いところのお嬢様らしく、それでいて植物学者を本気で志して、
家出同然で飛び出した現在は半分勘当状態らしい。
どう転ぶにしても、俺みたいな男の事など忘れるに限るわけだ。
彼女の身体を隅々まで味わい、彼女が言う通り全てを奪った男が
そんな事を言うのもどうかと思うが、盗賊の頭で多くの人間の命を
奪い、こうしてのうのうと生きている。
そんな俺はここで仲間を弔いながらたまに運が良ければ女を抱く
ような一生を過ごすかあるいは、何かしらの形の事故で消されるか。
そういう人生設計というところだ。
一ヶ月後
身体の相性かそれとも互いに足りないものを埋めるためか、昼は
仕事だから何もなかったが、夜は毎日のように求め合う日々だった。
だが、遂にというべきか、ようやくというべきか、複雑な気分で
別れの日を迎えた。来た時と同じような感じで……だが、どこか
女らしさが増した、こいつを見送るために森の入り口から少しだけ
離れた場所に出ていた。
「それじゃあ、お世話になりました」
「ああ、どういう人生を辿るかは神のみぞ知るだが、元気でな」
「貴方も……お元気で」
この時はもう関わる事はないだろう……そう思っていた。だが、
人生とは運命とはどう転んでいくかなんてのはか分からないものだ。
何をどうやったらこうなるのやらな。
数年後
「……。よく来たな」
「あ、あはは……今度もまたお世話になります」
「学者として、有名になってるらしいじゃないか」
「そ、そんな事ないですよ。って、知ってくれてるんですか!?」
「お前の師匠のとてもお節介な騎士が逐一教えてくれたんだよ」
有名になった代わりに家の方は完全に勘当されたらしいが。少し
前にこいつの父親が貴様のせいでぇと乗り込んできたが、あいつが
居なかったら森の中に放り込んでいたところだ。
「勘当されたというより、貴方にしようとした事を知ったので私の
方から縁を切ったが正しいんですけどね」
「そうなのか」
「家は兄が継いでますし……道具にはなりたくなかったので」
「確かに、家からすればお前は政略結婚の道具か」
「えぇ。まぁ、それはそれとして、触手花の研究も各国で進んでは
いますが、ここの花は特に重要なんですよ」
「あまり言いたくないが、男もホイホイやっちゃうからか」
「は、はい……」
他所の大陸だと女性のみだが。ここのは誕生した際、俺の仲間達
を最初に襲ったためだろうか。突然変異のようなものと判断されて、
この森の触手花は同じ種類の中でも更に希少種の扱いになっている。
「分かった。今度は最奥まで案内してやるよ」
「ありがとうございます」
そんな彼女に一つの疑問をぶつけるのは……野暮だろうか。
「なぁ……」「あの……」
「そ、そちらからどうぞ」
「あれから男は出来たりしたのか?」
遠回しに聞くのは面倒なのでストレートに聞くことにした。
「も、もうっ!! で、で……で、できてません」
そう、顔を赤くしながら小声で言う。
「その……貴方の方は?」
「仕事上で抱くことはあったが、特定の女はいない。いや、作る気
が一切湧かなかった」
「そ、そうですか……そ、そうなんだ」
そんな彼女に俺はこう告げる。
「お前が良ければ……かつては取れなかった責任を取る。どこまで
傍にいてやれるかは分からないがな」
「そ、それって……」
「同じ事を二度も言わせるな」
自分の方へと抱き寄せてそのまま唇を奪う。
「んっ……」
「ここに居なければいけないから、常に傍には居る事はできない」
「は……はい」
「それでも良いなら、俺の妻になれ」
「はいっ!!」
そう幸せそうな笑顔で返事をしてくれたのだった。