邂逅
①
月美は福岡の上空からとある場所を目指していた。
先日、ラーヴィとミントが邂逅した過去のトラウマである、邪神の行方を人知れず探っていた。
分かることは、相手は一切気配が無いこと。
しかし、目視にて存在を確認できること。
不確定だが、福岡や九州で、相手が何か事を起こした形跡はない事だ。
②
月美(恐らく、アタシが会うことでやらかしは起きないハズ...)
実際、敵意剥き出しのラーヴィは無傷で済まされている。
ただ、トラウマとの出会いから、精神的なダメージは計り知れず、
ミントに至っては幼児退行が発症するほどである。
月美(なら、はっきりさせたい。その相手が何者か...)
闇雲に探していたわけではなかった。
月美には王女ならではの情報ネットワークがある。
それによると、気配はないが、とんでもない漆黒の鎧に身を包んだ大男
のワードだけでも、意外と発見情報は確認できた。
いずれも、共通していることは
『邪神が討伐された土地』
『邪神にかかわる邪宗の教団跡地』
そのあたりで目撃されている例を多数取り上げられていた。
しかもそれは、ここ最近の事ではなく、過去の情報目録も見つけた。
そこで、最近訪れていないポイントをくまなく、しらみつぶしに月美は捜索を続けていた。
③
月美(ここは......)
行橋まで飛行し、気になる個所の情報をリサーチする。
月美(ビンゴならいいけど...)
降り立った場所は海岸沿いの洞窟だった。
かつてそこは、海の邪神が祭られた洞窟神殿があったのだが、既に邪神は討伐されており跡地となっていた。
④
月美(...怖気づくな、アタシ。この感じ...きっと居るわね...)
今までにない雰囲気...外れではなさそうだ。
意を決し、月美は神殿跡地の奥へ向かう。
禍々しさと神々しさが入り混じる装飾が施された洞窟神殿内...
かつて、どれだけの人が犠牲になったのか...目録には残されていたが、
幸い当時の行橋の領主によって、最小限の犠牲にて討伐されているようだ。
30分は歩いただろうか...自分の鼓動と足音だけが聞こえる回廊を進むと...
月美(!?)
それは姿を現した...
⑤
漆黒の鎧の大男...携えているブロードソードは月美の身体よりも長く
一振りで両断されるほどの鋭さを備えていた...
⑥
月美「...やっとお会いできた。ラーヴィとミントの故郷にかかわっている貴方に」
語り掛ける月美。そしてそれは月美に振り向き応答する。
⑦
??「なんだ?小娘...」
月美はラーヴィとミントのトラウマである未知の脅威との邂逅に到達した。
呪文
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