罠! ピンクスマイル変身不能!
メインMCの天宮さくらは、いつものようにチャーミングな笑顔で最新のニュースを伝えている。
「さて、続いてはこちらの話題です。最近、街で頻発している奇妙な落とし物騒動。落としたはずのないものが、なぜか自分のポケットやカバンに入っているという……」
その時だった。スタジオの照明が突然チカチカと点滅し始めた。
「あれ? 電気系統のトラブルでしょうか?」
共演者たちが訝しむ中、天宮さくらはプロらしく冷静に言葉を続ける。
しかし、彼女の内心にはかすかな嫌な予感が漂っていた。最近、敵の影が再び色濃くなっているのを感じていたからだ。
次の瞬間、スタジオの空気が一変した。床が揺れ、天井から不気味な紫色の煙が立ち込めてきたのだ。
「な、何事ですか!」
悲鳴が上がる中、天宮さくらは立ち上がろうとした。
変身しなくては! しかし、体に力が入らない。まるで全身が痺れているようだ。
「くっ……!」
紫色の煙は、ただの煙ではない。特殊なエネルギー波を含んだ、敵の新たな罠だったのだ。
それは、生体エネルギーの流れを阻害し、変身能力を一時的に奪う効果があった。
モニターには、歪んだ笑みを浮かべる敵幹部の姿が映し出された。
『フッフッフ……ピンクスマイルよ。まさか生放送中に、このような形で貴様を捕らえることができるとはな!』
敵幹部の声は、スタジオ中に響き渡る。視聴者も、ただの番組トラブルではないことを悟り、SNSは瞬く間に騒然となった。
「え? ガチの敵!?」
「さくらアナ、危ない!」
「ピンクスマイル、どうした!?」
天宮さくらは歯を食いしばった。
変身できない。 戦えない。
無力なアナウンサーの姿で、今、絶体絶命の危機に晒されている。
敵の魔の手が、ゆっくりと天宮さくらに近づいてくる。
その目は、獲物を捉えた捕食者のように冷酷だ。
「おとなしく捕まるがいい、ピンクスマイル。貴様の正体が白日の下に晒されるのも、時間の問題だ!」
スタジオのスタッフたちは、恐怖で身動きが取れない。
どうすることもできないまま、ピンクスマイル――天宮さくらが敵に連れ去られようとしている光景を、ただ見ていることしかできない。
しかし、その時、予期せぬ人物が立ち上がった。
それは、これまで大人しく番組を見守っていた、さくらのアシスタントディレクターだった。
「や、やめろ!」
震える声で叫びながら、彼は近くにあったマイクスタンドを手に取った。
敵には遠く及ばない、か弱い抵抗だ。だが、その瞳には、大切な仲間を守ろうとする強い光が宿っていた。
敵は嘲笑った。
『邪魔をするな、小虫けら!』
次の瞬間、敵がアシスタントディレクターに手を伸ばした。誰もが、絶体絶命だと思った。
その時、スタジオの隅に置かれていた、ピンクスマイルの変身ブレスレットが、かすかに光を放ったのだ。
微弱ながらも、天宮さくらの強い意志に呼応しているようだった。
(まだ……! まだ、諦めない!)
意識が朦朧とする中、天宮さくらは必死に念じた。
仲間の危機、そして何よりも、人々の笑顔を守りたいという強い想いが、わずかに残った彼女のエネルギーを呼び覚ます。
ブレスレットの光は、次第に強さを増していく。
それは、絶望的な状況の中で、一筋の希望の光だった。
『な、何だ!?』
敵幹部も、その異変に気づき、警戒の色を露わにする。
そして、ついにその瞬間が訪れた。
微弱ながらも、ピンク色の光が天宮さくらの体を包み込んだのだ!
完全な変身には至らない、ほんのわずかな力の覚醒。
しかし、その一瞬の隙を突いて、天宮さくらは敵の拘束を振りほどいた。
「させません……! 誰の笑顔も、あなたたちには奪わせない!」
変身は不完全で、普段のような華麗なピンクスマイルの姿ではない。
しかし、その瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。
絶体絶命のピンチ。変身不能という最悪の状況。
しかし、天宮さくらの強い意志と、仲間の勇気、そして何よりも人々の笑顔を守りたいという熱い想いが、奇跡を呼び起こそうとしていた――。
ピンクスマイルは、果たしてこの危機を কিভাবে乗り越えることができるのか?
そして、敵の更なる陰謀とは? 次の瞬間から目が離せない!
呪文
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