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森の中で ②

使用したAI Custom Model
さて、ちょっとばかり昔話をしようか。まだこの国が幾つかに別れててお互い戦ってたような頃の話さ。ここは今でこそあたししか住んでないけど元々町だったんだよ。ここに昔天才の射手の女の子がいたんだ。


エルフの民は幼い頃から弓を習う。一般的に弓の上手さは強さを示し、強さはそのまま権力を示す。まあ全てが全てそうじゃないが...その子の話をしようか。彼女は紛うことなき天才だったんだよ。幼い頃にして獲物を仕留めて子供の時には大人と共に狩猟に出かけ、成人になる頃には一人前どころか、この地方じゃ誰も到底かなわない程の戦士に成長したんだ。


ただ元々勝ち気な性格の彼女はちょっと自分勝手で傲慢な所があってね、それが褒めそやされて成長してきたらどうなると思う?弓の腕前と同じくらいその子は大人達からは手がつけられなくなってしまったのさ。


派手に着飾って狩猟に行ったり、単独で行動して危険な場所にも入り込んだり、伝統や文化を無駄だと批判し、長老達にも真っ向から反論したり公然と嘲ったり。挙句には揉めていた別の集落に勝手に攻撃を仕掛けたりもした。やりすぎてしまったのさ。次第にその子の噂は遠い地の商人達からも聞こえてくるようになった。とても困った事になってね。


長老達は考えた。悩みに悩んだ結果、彼女に栄誉として村に古くから保管されてた弓を渡す事にしたのさ。その弓は魔力が込められてる特殊な弓でね。渡す役目には彼女の唯一の友達だった幼なじみが選ばれた。二人はこれをお祝いだと喜んだ。そして彼女は当然とばかりにその弓を受け取ったんだよ。何も疑う事もなく。


新たな弓を手にした彼女はもはや人智を超えた存在だった。遠すぎて米粒にしか見えない獲物も正確に撃ち抜いたし、危険な大型獣も軽々と仕留めてみせた。目に入る物全てを矢継ぎ早に倒しもした。けど...華々しい活躍とは裏腹に彼女はだんだん痩せこけて衰弱していってね...弓には射手の生気と引き換えに力を発揮する魔法がかかってたんだよ。それとは知らず力を引き出してたってわけさ。だが弱るどころか彼女は苛立ち、苛烈な性格になっていった。そして何かに逆らうように多くの狩りや戦いに出るようになったんだ。怒ったら誰彼構わず弓を向けるようにもなってね、唯一の幼なじみの友達ともこの辺りで喧嘩別れしてしまったんだそうだよ。


しばらく後の事さ。ある日彼女は行方不明になった。あの派手な姿を見ないぞと町で噂になってね、彼女の幼なじみが家を訪ねるとそこはもぬけの空だったのさ。一応と形だけの捜索隊が組まれたりもしたけど彼女はどこからも姿を消していた。両親の嘆願もあって何度か捜索は繰り返されたけど結果は同じだった。慌てたのが長老達さ。罰を与えるつもりが全てが悪化した挙げ句行方不明になってしまったんだからね。長老達はこの件をやり過ごす事に決めた。彼女は狩りの最中に行方不明、残念だがよくある話だ。と筋書きを書いたんだ...卑怯な奴らさ。
やがて時が経つにつれて彼女の話をする者は居なくなり、季節が巡るごとに彼女を覚えてる者は徐々に居なくなり、エルフェアル統一の頃には元々町だったここはもうあたししか居なくなってたってわけさ.....一体何が正解だったんだろうねえ...?


さて、この話のオチを言おうか。ここまで全て作り話さ。ハッハッハ。元々ここはこの一軒家だけさ!ちょっと待ってそんなに怒るんじゃないよ炎なんか出して危ないじゃないか。けど随分と時間が潰せたんじゃないか?どうだい?アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ。


ハァ...さて...今日はずいぶんと久しぶりに沢山話してしまったね。泊まる所も無いんだろう?泊まっていきなさい。

呪文

  • Steps 28
  • Scale 7
  • Seed 1748238816
  • Sampler DPM++ 2M Karras
  • Strength
  • Noise
  • Steps 28
  • Scale 7
  • Seed 1748238816
  • Sampler DPM++ 2M Karras

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