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シロクロさんのところのキャラと設定をいただいた話の2話目です

原作になったのがシロクロさん作の
獣人の少女です↓
https://www.chichi-pui.com/posts/2bbb0b4e-0a60-4ce8-bfdc-b1fd39869bcd/

前話が↓です
https://www.chichi-pui.com/posts/88006996-3324-4ee4-94de-7aec30b5e793/



「主よ、あなたの慈しみに……
……感謝させたまえ」

「何だいそれは…ご飯を用意した私じゃなくてどこかの誰かに感謝するのか?人間ってのはこれだから」

いくら簡単な食事とは言っても、こんな場所じゃあ材料を集めるのだって大変なんだがね。
料理なんて物は祈ってれば勝手に用意されるとでも思ってるのか?
人間らしい傲慢な考えだ。

「いえ、勿論貴女にも感謝していますよ。だから先程も貴女への感謝の言葉も伝えたじゃないですか。ですが、感謝をはっきり伝えるのは確かに大事ですわね。ありがとうございます」

「ふんっ」

全く調子の狂うやつだ。
だけど…うん…
つい軽口でごまかしちまったが。
何か懐かしいかも…しれないな…



「ごちそうさまでした。洗い物はそこに置いといてくれ。皿のしまい方が変わるとなんかおちつかないからな」

「そう言うことでしたら…ですが、何かお手伝いすることなどは?」

「無いから座ってろ」

さて、さっさと洗っちまうかな。

♪♪♪

「綺麗な歌声ですね…」

はっ…ついいつもの癖で。
いつもは誰も聞くやつなんていねぇし。
いたとしても小鳥とかだから気を抜いてたか。
まあ良いさ、今からやめるのも何かこいつを気にしてるみたいで気に食わねえしな。

「懐かしい…懐かしい歌です…」

懐かしい…だと!
これはうちの母さんが作った歌だぞ?
こいつが知ってるわけがない。
きっと別の曲と勘違いしたんだろう…

「ふん、お世辞が上手なこった」

「お世辞なんて…本当に綺麗な歌声でしたよ?」

「はんっ、素人の鼻唄さ…恥ずかしいからこの話は仕舞いだ」

そんなに残念そうにするんじゃない…
思い出しちまうだろうが。
吟遊詩人だった母さん達と良く一緒に歌ったことを。
母さん達も良くそうやって聞いてくれたっけな…
そして良く誉めてくれたっけな。
あいつなんかアンコールアンコールってうるさくて…

やめだやめ。
考えても悲しくなるだけ。
もう全部終わっちまったこと。

そう、もうあの光景は帰ってこないんだから思い出すな私。
あいつは嫌いな人間の娘。
期待なんかするな私。
あいつは明日には居なくなっちまうんだから…



「さて、大分遅い時間になっちまったな。風呂とか歯を磨く時はあっちの小屋。トイレはそこだ」

「まあ、お風呂があるんですか?」

「ん…風呂ぐらいそりゃあるだろ」

何言ってるんだ?
いくら何でもその程度も無いと思われてたのか?
流石に馬鹿にしすぎだ。

「…なるほど。やっぱりここだったんですね…」

「ん、何か言ったか?」

「いえ、何も。それじゃあお風呂いただきますね」

「おー、好きにしな」

さて、ベッドでも準備しといてやるかな。
皆が亡くなってもなんとなく掃除はしてたから大丈夫だろ。



「本当に私だけベッドを使っても?別に私がソファでも…」

「気にすんな。どうせ私はいつもベッドを使ってないんだ。そっちで寝ると色々思い出しちまうし」

「ですが…」

「良いから使え。誰かが使ってくれたほうが皆も喜ぶ」

「…そう言うことでしたら」

ふん、何だかんだ言ってたが直ぐに眠ったか。
そりゃそうだ。
わざわざこんなところまで来て疲れてないわけがない。
むしろ女一人で良くこんなところまでこれたもんだ。
しかも、ここら辺の事をよく知らない人間が…

地元のやつだって隠し通路を知らなきゃ一人でなんて来たくない通路だからな。

私も寝るか…何だかんだ今日は疲れた…




  イリス…イリス…
     イリス…イリス…

誰だ?
あの人間か?

  イリス…イリス…
     イリス…イリス…

違うな、これは夢の中
皆が話しかけてるのか?

  あの子のことは忘れなさい
  忘れていつも通りに生きなさい

どうしたの皆?
今まで一度も話しかけてくること何て無かったのに…
あの子に何かあるの?

  忘れなさい

教えて、何かあるの?

  つらい真実を知ることになりますよ
  貴女は平穏に生きなさい

真実って何?
あの子とあって何か不思議な気がしてたけど…
やっぱり何かあるの?

  イリス…私にはわかりません…
   どちらが貴女の幸せにつながるのか…

  私達に守られて平穏に暮らすのならば忘れなさい
  正直私達はこれを選んで欲しい…
  ですが、貴女ももう大人です…

  もしも、真実を望むのならば…
  XXXについていきなさい…
  そうすればきっと貴女は過去と遭遇することになるでしょう…
  きっとつらい旅になります…
  後悔もすることでしょう
  ですが、きっと家族を手に入れる

  どちらを選んでも私達は貴女を守ります

  イリス…イリス…
     イリス…イリス…

  幸せにおなり…

待って‼️
まだいかないで‼️
久しぶりに話せたのに…

まだ話したいことが…

行っちゃった…


なに真実って…
わからない、わからないよ…
過去ってなに?

私は……




「ごちそうさまでした。それではお世話になりました」

結局決まらなかった。
私はどうするべきなの?

でも、きっとここで行かなかったら後悔する…

「ちょっと待ってくれ…私も連れていってくれないか?」

「貴女は何となくそう言うんじゃないかなって思っていました。つらい旅ですよ?」

「構わない…とは言えない。どんな旅なのかも知らないし…でも、後悔したくない」

「わかりました。ではイリスさん…とお呼びしても?」

ん、私の名前教えたっけ?
いや、知ってるってことは教えたのか…

「別にいい。それであんたは何て名前なんだ?」

「私の名前は……」




はい、旅立編ですね…
駆け足なのは仕方がない。
ここで尺をとっても仕方がないしw
後9話で終わるかな?

さて、裏話…
最初は歌じゃなくて子供の頃の落書きで違和感を感じる予定だったんですが…

落書きが生成できなかったwww
いや、歌を歌ってるっぽい画像じゃないんだけど‼️
勢いでごまかしてやるwww

次の話↓
https://www.chichi-pui.com/posts/a7dfa17c-3429-4d20-97ac-ee02e417e28c/

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