数字を記録するだけの簡単なお仕事②（キャプションあり）
使用したAI
Stable Diffusion
数字を記録するだけの簡単なお仕事①（キャプションあり）
https://www.chichi-pui.com/posts/0867201c-2a5f-4b44-8ac0-8b1d6aca58ae/
アルバイト当日、俺は集合場所に１時間以上前についていた。時刻は9時少し前だ。
この一週間、何度も親友への連絡を試みたが結局つながることはなかった。集合場所についてからも何度か試してみたがダメだ。
俺の中で、金が欲しいという気持ちより、この仕事に対する不気味さが遥かに勝っていた。
『決して上を見るな』その言葉の意味を何度も考えた。
上を見上げるといくつかの看板が目に入ってきた。その中のいくつかにはローマ字があった。
俺は素早く、それをローマ数字として把握する。
俺はなぜかこの一週間ローマ数字の読み方の習得に明け暮れていた。
ローマ字から不要な文字を排除して、『I』『V』『X』『L』『C』『D』『M』のみを残し、それを数字として捉えるという練習を繰り返してきた。
親友は決してアラビア数字が読めないほどバカではなかったからだ。
俺に関しても、いまさらアラビア数字を学習する必要なんてなかった。それがアラビア数字と呼ばれることを知らなかったとはいえ、小学校の時に学んだ『数字』そのものだった。
もし高度な数学的知識が必要なのだとしたら、とても一週間では足らない。
だから、とりあえずローマ数字の習得だけはこなした。
この仕事に対する不気味さより、親友がどこかへ消えてしまったことへの解決方法を見つけること、それが今の俺にとって大事なことになっている。
俺は集合場所が見える喫茶店に入った。そこから集合場所を観察するためだ。何人かが指定された集合場所のあたりで立ち止まったが、皆すぐに立ち去って行った。自分と同じ目的で集合場所に集まったという人間は結局見つけることができなかった。指定時刻の10分前になったところで喫茶店を出ることにした。
集合場所というからには何人か来るものだと思っていたが誰も来ない。
『決して上を見るな』とは何なのか？考えながら上を見上げると、太陽が高く昇っていた。その自由な空を鳥が渡っていった。空をぼーっと眺めていると目の前にバスが停まった。古臭いバスだなと感じた。曇ったバスのガラスの向こう側に何人かがいることがわかる。
一人の中年の男が降りてくる。彼は私の氏名を確認すると「乗れ」と言った。そして、その直後にこう続けた。
「決して誰とも話すな」と。ルールが一つ追加された。
私はバスへと踏み込みかけた足を戻し地面につけた。
男は「早く乗れ」と私を急かす。私は恐る恐る彼に尋ねる。「上を見ることは大丈夫でしょうか？」
男は答える「上が見たいなら勝手に見ればいい。だが決して誰とも話すな。契約や約束は守らなければならない。そして俺の契約は、お前らを時間通りに回収して連れていくことだ」そういうと彼は乱暴に私の背中を押しバスの中へと詰め込んだ。
私は埃っぽい車内の空いてる席を探して腰を掛けた。『決して話すな』と言われてるのだから、誰かの隣に座る必要もない。逆に、誰かの隣に座ってしまい、相手が話しかけてこようものなら面倒ごとに巻き込まれかねない。
『決して上を見るな』とは何だったのか？また私は考える。バスの男が言うように、これは契約でもなければ約束でもない。そして、親友からその言葉を言われて、数分後にはアイドルのポスターを目にした時に上を向いてしまっている。そもそもどの角度からが「上を見る」という行為になるのか？いやそうではない。親友は何を伝えたかったのか？そう考えていると数分でバスが停まった。曇ったガラスの向こうに人影が一つある。バスの男はドアから出ていき、彼を乗せる。ここならば自分の集合場所とも遠くない。なぜ一緒の集合場所に集めないのか？その方がバスの男にとっても楽ではないか？そう考えていると一つの言葉が浮かび上がった。
『決して誰とも話すな』
瞬時に理解した。だから、彼らは一人ずつ拾い上げているのかと。私たちが情報交換すると何か困るのだろうか？
いろいろなことを考えている間に何度もバスは止まり、何人も拾い上げた。
バスは次第に鬱蒼とした木々の間を走るようになっていた。そして、昼過ぎにバスは古びた建物の前で止まった。
どうやら終点のようだ。
https://www.chichi-pui.com/posts/0867201c-2a5f-4b44-8ac0-8b1d6aca58ae/
アルバイト当日、俺は集合場所に１時間以上前についていた。時刻は9時少し前だ。
この一週間、何度も親友への連絡を試みたが結局つながることはなかった。集合場所についてからも何度か試してみたがダメだ。
俺の中で、金が欲しいという気持ちより、この仕事に対する不気味さが遥かに勝っていた。
『決して上を見るな』その言葉の意味を何度も考えた。
上を見上げるといくつかの看板が目に入ってきた。その中のいくつかにはローマ字があった。
俺は素早く、それをローマ数字として把握する。
俺はなぜかこの一週間ローマ数字の読み方の習得に明け暮れていた。
ローマ字から不要な文字を排除して、『I』『V』『X』『L』『C』『D』『M』のみを残し、それを数字として捉えるという練習を繰り返してきた。
親友は決してアラビア数字が読めないほどバカではなかったからだ。
俺に関しても、いまさらアラビア数字を学習する必要なんてなかった。それがアラビア数字と呼ばれることを知らなかったとはいえ、小学校の時に学んだ『数字』そのものだった。
もし高度な数学的知識が必要なのだとしたら、とても一週間では足らない。
だから、とりあえずローマ数字の習得だけはこなした。
この仕事に対する不気味さより、親友がどこかへ消えてしまったことへの解決方法を見つけること、それが今の俺にとって大事なことになっている。
俺は集合場所が見える喫茶店に入った。そこから集合場所を観察するためだ。何人かが指定された集合場所のあたりで立ち止まったが、皆すぐに立ち去って行った。自分と同じ目的で集合場所に集まったという人間は結局見つけることができなかった。指定時刻の10分前になったところで喫茶店を出ることにした。
集合場所というからには何人か来るものだと思っていたが誰も来ない。
『決して上を見るな』とは何なのか？考えながら上を見上げると、太陽が高く昇っていた。その自由な空を鳥が渡っていった。空をぼーっと眺めていると目の前にバスが停まった。古臭いバスだなと感じた。曇ったバスのガラスの向こう側に何人かがいることがわかる。
一人の中年の男が降りてくる。彼は私の氏名を確認すると「乗れ」と言った。そして、その直後にこう続けた。
「決して誰とも話すな」と。ルールが一つ追加された。
私はバスへと踏み込みかけた足を戻し地面につけた。
男は「早く乗れ」と私を急かす。私は恐る恐る彼に尋ねる。「上を見ることは大丈夫でしょうか？」
男は答える「上が見たいなら勝手に見ればいい。だが決して誰とも話すな。契約や約束は守らなければならない。そして俺の契約は、お前らを時間通りに回収して連れていくことだ」そういうと彼は乱暴に私の背中を押しバスの中へと詰め込んだ。
私は埃っぽい車内の空いてる席を探して腰を掛けた。『決して話すな』と言われてるのだから、誰かの隣に座る必要もない。逆に、誰かの隣に座ってしまい、相手が話しかけてこようものなら面倒ごとに巻き込まれかねない。
『決して上を見るな』とは何だったのか？また私は考える。バスの男が言うように、これは契約でもなければ約束でもない。そして、親友からその言葉を言われて、数分後にはアイドルのポスターを目にした時に上を向いてしまっている。そもそもどの角度からが「上を見る」という行為になるのか？いやそうではない。親友は何を伝えたかったのか？そう考えていると数分でバスが停まった。曇ったガラスの向こうに人影が一つある。バスの男はドアから出ていき、彼を乗せる。ここならば自分の集合場所とも遠くない。なぜ一緒の集合場所に集めないのか？その方がバスの男にとっても楽ではないか？そう考えていると一つの言葉が浮かび上がった。
『決して誰とも話すな』
瞬時に理解した。だから、彼らは一人ずつ拾い上げているのかと。私たちが情報交換すると何か困るのだろうか？
いろいろなことを考えている間に何度もバスは止まり、何人も拾い上げた。
バスは次第に鬱蒼とした木々の間を走るようになっていた。そして、昼過ぎにバスは古びた建物の前で止まった。
どうやら終点のようだ。
呪文
- Steps 26
- Scale 7
- Seed 3458188673
- Sampler DPM++ 2M
- Strength
- Noise
- Steps 26
- Scale 7
- Seed 3458188673
- Sampler DPM++ 2M
