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「やつらは、優れた魂を自分達の造った入れ物に移した」

白猫は静かに言葉を続けた。

「そして、やってはいけない事をした」

声もないセントレイクとフェンテスの人々を見ながら、白い猫はため息をついた。

「完成した究極体に、無垢なる魂を移した」

「無垢なる魂………って、まさか!?」

「ああ、産まれたばかりの赤ん坊の魂を入れやがった」

皆の顔から血の気が引いた。

「そんな、そんな事が……」

「許されるはずがない!」

「……無垢なる魂は歪み、破壊と殺戮を好んだ」

そして、世界は一度滅んだのだそうだ。

白猫やほかの者達が協力し、どうにかその魂を湖の底に封じた。
その後、湖の底から伸びる枝葉を埋め立てて、今のセントレイクが出来た。

「まさか、ここに書かれた事は……」

セントレイクの魔女が、震える手で本を開いた。

『すべてのはじまり、すべてのおわり』

「ああ、ここに眠るやつのことさ」

「…………」

「だが、話はここで終わりじゃない」

白猫は皆を見回した。

「この世界の悪しきものに呼応して、目覚めようとしている。いや、こいつだけじゃない」

興奮してきたのか、白猫は次第に早口になってきた。

「この世界に呼ばれた全ての世界には〈目覚めてはならぬモノ〉がいるはずなんだ。それが、悪しきものに呼応して目覚めようとしている」

「わ、私達はどうすれば……」

「争いをやめろ。悪しきものを倒せ。世界を救え!」

呪文

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