大きな紫陽花の小径/スマホ壁紙アーカイブ
雨音が優しく響く午後、透き通る傘の下で少女は一歩一歩、紫陽花に囲まれた小径を歩いていた。
空はまだ涙をこぼしていたけれど、その雫は花々をより鮮やかに輝かせ、まるで道が彼女を歓迎しているかのようだった。
この道はむかし祖母と歩いた思い出の場所。
色とりどりの紫陽花が咲く季節になると必ず訪れていた場所だった。
今年はひとりで訪れたが心は不思議とあたたかかった。
まるで祖母の声が、花の間から聞こえてくるようで——
少女は足を止め、そっと目を閉じた。
雨の匂いと紫陽花の香りに包まれて、時の流れがやさしく、静かに溶けていった。
呪文
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