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砂浜を歩くナニモニャイ
その姿は、大人びていた。
無論、ナニモニャイは
20代の猫耳である。
黒の水着によって、その良さが、
際立っていた。
潮風を浴びながら文豪のもとへと
やって来て、

「なんか、照れちゃうね」

頭をポリポリする

「恥ずかしさで猫化したいよ…」

「駄目だ、猫化したら、水着は私が持たなくちゃならないだろう」

「うぅ、そうだね…うん、わかった、我慢する」

拳を強く握り、恥ずかしさとの勝負をしていた

「猫の姿だって、服を着てないようなもんじゃないか」

「あれは、毛があるから違うの、だから、猫耳の時と猫の時は全く違うんにゃから」

「そうなのか」

「そうにゃの…だから…分かってよ」

ナニモニャイは頬を染める。
目映い日差しに照らされる彼女の肌は透き通り、猫耳はピクピクさせていた。

「喉乾いたな、何か飲もうか」

「うん」

彼らは海の家にて、飲み物を買った。
ナニモニャイはスポーツドリンクを、
文豪はお茶を買った。

文豪は席に座ろうとして、パッと思いつく。

「そうだ、ナニモニャイ、砂浜に座って飲んでみてくれないか」

「文豪の?」

「ちがうちがう!砂浜でスポーツドリンクを飲むの」

「うぅ、ごめんにゃさい、少し熱くて冷静じゃにゃかった」

ナニモニャイは発汗していた。
熱さは理性を失わせ、
感情と情熱を呼び込む…

「まぁ、そうか、誰にだって、そういう時はある、うん」

砂浜に座って、
飲み物を飲むナニモニャイ
喉の辺りでゴクリ、ゴクリと
飲んでいるのをじっと見つめる文豪、

脳内に水分がいきわたり、心臓は
冷却し理性を取り戻してゆくのだろうと
考える。
その証拠に猫耳が垂れ、
心地いいのだというのが伝わる。

「わっ、文豪さん、くすぐったい…」

彼は無意識にフサフサな猫耳を触っていた。

「すまん、つい…」

2人の間に沈黙、
潮騒の波間の音が流れゆく

(猫メモ)
きっと、猫たちのコミュニケーションは
猫耳で会話してるのかなと本作を書いてて思いました。猫耳の動きで感情を伝えたり、他の動物たちとの会話も兎耳や犬耳なども同じだと私は考えますね。ずっと書いていると猫耳の生態について、設定が思いつくので楽しいです。

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