ノスタルジック春の風景[3]/スマホ壁紙アーカイブ
【桜色の余白】
三月の風が、カフェのテラスに舞い落ちた桜の花びらをそっと揺らす。
僕はコーヒーカップを手に取り、ゆっくりとひと口飲む。まだ少し熱い。
向かいの席には誰もいない。
そこには誰かがいたような気もするし、最初からいなかったような気もする。
人々が通りを歩き、オートバイがエンジン音を響かせる。そのすべてがまるで映画のワンシーンのように、僕の視界を静かに流れていく。
「春だな」
誰に言うでもなく、僕は呟く。
遠くで信号が変わる音が聞こえ、桜の枝が小さく揺れた。
呪文
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