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越夜隊の面々は、パスタ(一部おにぎり)を食べて馬鹿騒ぎをしている。
辛いことも嫌なことも、吹き飛ばしてしまおう。

だが、その騒ぎには加わらず、静かに食事する者たちもいる。
今回の騒乱で、戦友を失った者たちだ。
もうパスタを食べられなくなった仲間に、餞のパスタ。

「トルティーヤ好きのあいつもいなくなっちまったなぁ」
「調達班の奴が、これで一々トウモロコシを探さなくて済むから清々した、って泣きながら言ってたぜ」
「調達っていえば、あの2人前食べる白い獣、あれのせいでパスタが足りないってボヤいてた奴も、後方にいたのに流れ弾で逝っちまったよ。運わりぃわ」
「あの白いの、修道服きてバレないつもりで2食食ってたよな(笑)」
「まあ獣の浅知恵ってやつだろ、大目に見てやれよ(笑) 隊長がいなきゃ、さっさとサーカスに売り飛ばされてたろーが」
「そうそう、隊長が……って、あれ? 隊長って誰だっけ? 確か白くて……」
「何いってやがる、隊長は隊長だろ。耳がモフモフで……ってあれ? 誰だったっけ?」
「隊長も、白い獣も、いたはずなのに、確かにいたはずなのに、思い出せない……」
「健忘症か? いや、パスタ不足だろう。まずは食って、仲間の分も食って、それで寝たらスッキリして、ぜんぶ思い出せるだろ」
「そうだな、まずはパスタだよな」
「食おう食おう、たくさん食って、あいつらに捧げよう」

一晩寝たあと、『White sea otter』隊が白い獣と、白くま少女を思い出すことはもうなかった。

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