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ジェリーさんの話を小説投稿サイトに投稿してきました😅

使用したAI その他
さて、前から考えてたんですが。
花粉症が少し良くなってきたので。
ジェリーさんの話を小説投稿サイトに投稿してきました。
アルファポリス様ですね。
序章と言うことで、魔王様視点。
実は親バカで情けないお母さんな魔王様のお話です。
なお、ここで読むと長いかも😅


ある気怠い午後のこと。
魔王城の執務室で恒例となった魔王と参謀の会議が行われていた。
最近侵攻の鈍っている人間界。
とりわけ日本方面の対策という建前にはなっているが。
特に重要視はしていないのもあって二人とも適当である。
魔王も国民へのポーズで侵攻してるだけで特にやる気もないし。
週に2回から3回くらい雑魚モンスターを送ってるだけ。

なんならゴミを捨ててるくらいの感覚である。


そんなどうでもいい事よりも魔王的にはよほど重要なことがある。

「なあ、うちの娘をどうにか出来ないだろうか?」

「エリー様ですか…あの方も難儀な方ですからな」

魔王はいつもの愚痴を参謀にこぼす。
それを受ける参謀も慣れたもの。適当に返事をする。
最近口を開けばすぐにそれだ。
返事をするのも面倒、とまでは言わないがおざなりにもなる。
まだはっきりと顔に出さないだけこいつはまし。
他の側近に相談するとはっきりと顔に出されるし。

最近の魔王を悩ませる問題。
それは、自分の1人娘が引きこもりであることだ。

私と違ってオレンジの綺麗な髪をして、紫の瞳を持った少女エリー。
引きこもりゆえ余り日に当たらなかったせいか透けるような白い肌を持った娘だ。
親の欲目無しに美人だと思う。
まだ年齢的に可愛いと言われる事の方が多いかもしれないが、将来が楽しみな娘。
私と違って容姿には恵まれてると思う。
まあ当たり前か……私が生涯で唯一惚れたあの方の特徴が色濃く出てるんだから。

しかし、恵まれた容姿に反比例するかのようにその魔力は可哀そうと言うしかない。
特殊な産まれかたをした娘は人間よりも少し多い程度の魔力しか持たない。
これで私の娘でさえなければ容姿を生かしてもう少し生きやすかっただろうに……
正直ひきこもりになるのはかまわない。
私にとっての弱みの一つが隠れていてくれるのなら逆にありがたいまである。

正直なことを言うとどう扱って良いのか困って放置している間に、割と冷めた関係になってしまった。
おかげで周りからは弱みと思われてないかもしれないが。
特殊な生まれに確かに思うところはあるが、実はそれなりに大事に思ってるんだがな。
あの方の特徴を受け継ぐたった二人のうちの片割れなんだから……

元から力こそが全ての魔界では次の魔王は血縁で決まるわけでも無し。
私を継ぐ者は力のみで身を立てればよい。
欠陥を抱えた魔王の血族など、捨扶持でも与えて飼い殺ししてやれば終わりだ。
良識のあるものならばあの子に変な暮らしもさせるまい。
良識のないものであれば?
私の後を継がせるのを全力で邪魔するだけだ。

ただ、私の娘と言うだけで狙われても困るので周囲には魔界の強者を配置した。
それも万が一を考えて二人。
一人は私を凌駕するかもしれない才能を持つ娘。
今ならば私が勝つが。それもいつまでもつか……
恐らく私の次の魔王になる。
それならば子供の内から娘と仲良くなってくれれば。
安心して後を託せる。
それだけが狙いでもないが。
幸い娘の親友となってくれた。

魔界において最大の領土を持つスライム族の女王ジェリー。
緑色を好み緑の髪と緑の目をした少女。
正直複雑な感情を抱く少女ではあるが。
私としては彼女に対してはむしろ好感を抱いている。
ただ、私は嫌われているんだろうな。
まああれだけのことをしたんだから嫌われてない筈もないが。
彼女にならこの命くれてやっても構わない。
出来ればそんな未来が来て欲しくは無いがな。

もう一人の娘の側近はねーこ。
それが本名かどうかは知らん。
案外本名なのかもしれんが、猫娘でねーこはいくら何でも安直すぎるだろ。
本名だったら名前を付けたやつの頭を疑う。

ねーこは凄腕の暗殺者だからコードネーム的なものだろう。
暗殺者の本名とか下手すれば本人も覚えてないかもしれないが。
彼女とは娘が生まれる前からの付き合いだし。
今更名前何て気にする程短い付き合いではないからな。

期間が長いだけでビジネスライクな付き合いだったんだが。
娘の暗殺を防ぐために子供の頃から娘を任せたらまさかあんな性格だったとは。
今では私ではなく娘個人に仕えている。
娘にとっても姉のような母親のような相手になってしまった。

あいつが引きこもりになったの半分はお前の責任だろ?
誰があそこまで猫かわいがりしろと言った。
戦場から離れて一時ほどの実力は無いが、それでも間違いなく魔界でも有数の実力者だろお前。
特にスピードだけなら私以上の癖に。
きびしく育てろとは言わんが、もう少しこう……なあ。
今では娘に仕えるメイド長。
それでいいのか?

ジェリーが次の魔王になるならそれでよし。
娘とも仲良くやってくれるだろう。
それ以外のやつが仮に魔王になったとしても、私、ジェリー、ねーこの防衛網を破るのはまずありえない。
ある程度の生活は約束されるはずだ。
後は適当に好きなように生きてくれれば良い。


そんな魔王の考えが変わったのが去年の事。
事もあろうに娘は前四天王を倒してしまった。
まさか魔力の少ないあの娘がそんな事を出来るとは。
先も言ったが魔王軍は力こそがすべて。
その中でも四天王と言えば武においては私に次ぐ実力者の集まりだぞ。
まあ、ジェリーやねーこのように興味がなくてついていなかった者もいるが。
あいつは身を立ててしまった。

最初はジェリーかねーこのどちらかがやった…そう思った。
だが、呼んでみるとどちらも困惑していて関係がなさそう。
むしろ良いことを聞いたとばかりに新たに四天王を2人倒してしまうしまつ。

むしろこの二人なら実力的には問題ないが。
武において私に次ぐもの。
つまり魔王軍でも最高幹部だぞ四天王っていうのは。

元々行方不明になっていた筆頭。
それとジェリーに倒された次席はまだ良い。
筆頭は仕事をしないで強さにしか興味がない奴だったし、ずっと行方不明だったせいでいい機会だから入れ替えるだけですむ。

次席もジェリーが殺さずに取り込んだからむしろ若返ったし仕事のノウハウも生きてる。
逆にありがたいくらいだ。

問題は娘とねーこに倒された奴ら。
どっちも死んでいるから仕事の引継ぎが出来ない。
特に娘に殺された最弱のやつが痛い。
あいつはネクロマンサーだったから死んだ奴らも働かせてくれてたのに。
しばらくは何とかなるが、腐る前に文官を雇わねば。

ああ、正直考えたくもない。
代わりに人間性は最悪だったから死んでくれてありがたいけど。
何であんな奴が仕事できるんだよ。
ちくしょう。

ねーこに殺された奴?
昔娘を魔力のことでいじめてたから仕方がないな。
居なくてもまあ良いよ。

それはともかく。
四天王に私を含めて5人の魔王軍の武の象徴。
そのうちの3人が引きこもり派閥。
ジェリーもねーこも私じゃなくて娘に仕えてる感じなんだぞ。
一体何の冗談だ?
あいつは自称穏健派だが、実質は何もしてないひきこもりだぞ。
そんな娘が四天王筆頭とか……

最後の四天王は流石に私の側だが。
実力でジェリーに負け。
腕の鈍ったねーこと同じくらい。
権力で娘に負ける。
おかげで娘のお目付け役程度の事しか出来ていない。
それに、昔娘を魔力の事でからかってた事もあるせいで娘からは嫌われている。
私から見れば好きな子に意地悪するレベルだったから思うところは無いんだが。
最近は四天王の仕事に追われてお目付け役もできてない。


「どうすればいいんだこの状況」

「どうしましょうなあ」

正直こんなどうでもいい会議開いてる時間すら惜しい。
でも、国民へのポーズのために開かないといけない。

「いや、待て。そうだ……娘を使おう。あいつに日本の魔法少女隊の潜入調査を命じればいい。そうすれば四天王自ら動いてるポーズになるし。なにより引きこもり復帰の機会になる」

「それは名案ですが。エリー様武闘派ですぞ……魔法使われない方に魔法少女隊の調査はきびしいかと……」

ねーこ……は行かないだろうな。
娘命のあのバカがそんな長時間離れる任務を受けるわけがない。
最後の四天王は忙しくて無理。
娘は魔法使わない。

「いや、まだジェリーがいる。親友が長期間離れれば少しは引きこもりもおさまるだろう。確か今日本には娘の師匠もいた筈だ。もしかしたら日本旅行とかしてくれるかもしれんぞ?」

「そんなにうまくいきますかね?」

「失敗してもたいして痛くないからな」




「四天王で日本の退魔組織を調査せよ!」

ある日魔王が娘に勅命を下す。
それは例え四天王のリーダーであっても断る事の出来ぬもの。

これが全ての始まりだった。

程なくして魔王の目論見通りジェリーが人間界に向かうのだが。
魔王は一つ忘れていた。

そう、唯一残った前四天王はジェリーに取り込まれたことを。
いくら何でも魔界と日本程離れては残していけないため結局ノウハウの引継ぎに失敗した。

さらに、親友と引きはがされたことで娘のうらみも買ってしまった。



がんばれ魔王様。
当分出番無いけど。
書類に負けるな魔王様。

「あ、あの方が手を振ってる。私を迎えに来てくれたんですね……うふふふふ」

「おーい、また魔王様が壊れてらっしゃるぞ。ベッドに押し込んで来い」

呪文

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