ログインする ユーザー登録する
投稿企画「#冬ファッション」開催中!特設ページへ ▶

新たな神

使用したAI その他
ルヴァン王国紀元 前五年
第一次ローラ戦争は、七族が互いに略奪しあうものであった。
ロダ族から分かれたルヴァン人とフラール人はロダ族からは決して奪わなかったが
他の四族はそうではなかった。
フラール人が魔王の顕現と呼んだゴラスファンの噴火から10年の間に
多くの水争いや土地争いがあって、七族はルヴァンとフラール、そしてロダ族にまとまりつつあった。
やがて噴火は散発的になり、太陽が力を取り戻し始めた。
---
ある日、レミールがルヴァンの男たちを連れてフラールの地の山道を行く途上。
雨が降ってきて、やがて大雨となったので
麓へ引き返す前に洞窟でひと休みしようとしたところ、者供一様に脚が萎えて動けなくなってしまった。

ややっ!これはフラールの罠か!
と思ったが、剣を抱いて体をこわばらせることしかできない。
──
そこへ老人と少女が現れた。
フラール人ではない。ロダ族である。

曰く、この洞窟に神の気配がある。
大勢で踏み込まれては困るので呪いをかけた。
それは、我らが臨んでもなにもお示しにならなかったので
このむすめと共に汝が見てくるがいい。
それが済んだら仲間の呪いを解いてやる。

というのでレミールは、カシアンというそのロダ族のむすめと共に洞窟の奥へ進んだ。
───
カシアンは真っ暗な闇の中をどんどん歩いて行った、その先に
 ここだ と示した洞をのぞくと
光の柱が差す静謐なる泉があった。

それで、どうするのかとレミールが言いかけたとき
水面がざわざわと波立ち声を立て始めた。

──私は天から見ている。
(イーロウ フラウールトラ ウェプレ アルテスク ウード)
噴火は収まりつつあるというのに人間たちは相争い千々に乱れている。
これは我が望むところに非ず。
汝は私と、ロダ族の言葉によって王徳を求め、争いを収めて国を興すべし。


水面のざわめきが静まると、そこには翡翠の腕環があった。
レミールはそれを取ると──

目が覚めた。夢かと思ったが腕環が手首にあった。
雨はまだ降っていた。
---
---
---
この新しい神は、ルヴァン王国の建国神話として語られる。
荒ぶる神の時代を去って、人々が共同体をつくり農耕と定住をはじめるその象徴として
新たな神が王権を授けたのだ。

この神は、私(イ または イル)というところをイーロゥと長く発音したので
我が名はロゥである と聴こえた。
ロゥは確かであることを意味するので、「我が名は、確かなるものである」となり
ロゥは神という意味を持つことになった。

ラウールとは、ラス(山)やラル(神)の語根ラ(動詞では 超える また形容詞では 高い)+ウール(方向)で
高きところ、天を意味する。
ルヴァン人の神となるロゥは、フラール人の神であるラルと対峙する概念となったのだ。
---
この ロゥ と ラル こそがローラ戦争の語源である。

呪文

入力なし

川島仁右衛門さんの他の作品

川島仁右衛門さんの他の作品

すべてを見る

おすすめ

Amazon

トレンド

すべてを見る

ユーザー主催投稿企画

すべてを見る

新着イラスト

すべてを見る

ちちぷいグッズ

ショップを見る