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冷たい冬の風が、彼女の白髪ボブをそっと揺らす。青い瞳は澄み切った空のように輝き、どこか遠くを見つめている。その目には優しさと決意、そしてほんの少しの憂いが宿っている。赤い寒椿が咲き誇る中、彼女は赤い鳥居を背に、静かに自転車を漕いでいるかのようだ。その荷台には、どこかアンティークな雰囲気を漂わせる長い銃身と木製のストックを持つマスケット銃がしっかりと固定されている。冷たい金属の輝きと木目の温かさが、彼女の天使のような笑顔と対照的に映える。

彼女の名は知られていない。だが、ある者は「世界の敵を狩る名探偵」と呼び、またある者は「どこからともなく現れる天使」と語る。彼女自身はそのどちらにも頓着しない。ただ、自らを「世界の敵」と戦う者と名乗り、旅を続けている。

世界の敵――それは誰もが認識しながらも、誰も名を呼ぶことのできない存在。目に見えない不条理や不幸、そして人々の心を蝕む闇。彼女はその闇を追い、愛用のマスケット銃を手に立ち向かう。無骨な銃に込められるのは、単なる火薬ではない。それは、彼女が出会った人々の願いや希望、そして彼女自身の揺るぎない信念だ。

しかし、彼女は決して一人ではない。旅の中で拾ったという雑用係の助手がいるらしい。詳細は語られないが、その助手は彼女にとって大切な存在であることは間違いない。助手が運ぶ情報やサポート、そして時折の軽口が、彼女の孤独な戦いを支えている。

その日、赤い鳥居の前を通り過ぎる彼女の姿は、どこか物語の一場面のように美しく、幻想的だった。彼女の微笑みは、目の前にある寒椿の鮮やかさにも負けない輝きを放ち、見る者に安心感を与える。同時に、その背中には、幾多の戦いや出会い、別れが刻まれているのだろう。

彼女の旅は終わることがない。自転車を漕ぎ、銃を携え、そして名も知らぬ誰かを救うために。その姿を見た者が思うのはただ一つ。
「彼女が世界の敵でなくて、本当に良かった」と。

呪文

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