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花色の闇

使用したAI Dalle
昔書いた自作の詩からです。
以下、その詩ですが、読む必要はありません。恥ずかしいので。


花色の闇

人のいない王宮に
風だけが棲んでいて
大理石の像や
噴水や
色とりどりの花壇を
さわって歩く
欠かさず同じ時刻に散り落ちる
約束の木の葉が
カサリと音を立て
風はいま、聞き耳を立て
世間をはばかるように
黙りこくった水鏡のほころびを
ささやかな歴史の指先が繕う

-だれかが塀の外から覗いているようだ

花はゆれながらいつくしみ
花は自分をいつくしみ
花は自分の意味を知らない
花よ。あなたが人のために美しいのは?

庭に落とされた一枚の白紙
そこに描かれるデッサンからは
すでに死臭が漂いはじめる
いかなる了解が
褪せていく唇を濡らすのか
花よ。あなたからあふれる蜜は
遠い日の約束の品ではなかった

-彼は立ち去った

花よ。待ちなさい
ある日ひとすくいの青空を映す水が
あなたのまえに置かれるのを
花よ。感じなさい
その青の深さよりも
あなたのなかにある透明を
けれど、疑いなさい
すべて、あなたの触れたものは不浄であること
すべて、あなたの見たものは被爆していること
すべて、あなたの香しきものは朽ちてゆくこと・・

それらを確かめたら
花よ。あなたも
潔く去るのだ

あなたの前途には
無数の見えないオブジェが立っている
その中において
あなたの占める位置は任意でなければならない
色彩は任意でなければならない
形および香りは任意でなければならない
あなたの名において
あなたの志において
任意でなければならない

王宮を吹き抜ける歌・風・時
無数の擬態を凝らして
木の葉・水面・扉の軋み(外界へ)
あなたは迎えられるだろう
且つ、苛まれるだろう所へあの道を迂回して。

呪文

入力なし

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