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「マナスペクトル分析を機械化するにはFTIRの検出器に魔導石を利用すれば……」
フェンテスとセントレイクの技術交流会は今回で34回目だ。

転移が起きて比較的早い段階でフェンテスとセントレイクは同盟関係となった。地政学的側面からやむにやまれず結ばれた同盟関係であったが、時が経った後も両国の関係は非常に良好だった。それは、技術に対する考え方の根底に「術は世界を良くするためにあるべし」という共通したものがあったことが大きい。
その考えを元に、双方の技術者は協力して、この混沌とした世界の謎を解明しようと知恵を出し合っていた。
科学技術と魔術、基底原理は大きく異なるものの、作用プロセスなどは近しい点も多く、技術交流により両国の技術は飛躍的に前進していた。
しかし、まだ解明できていない「なぜ我々は転移してきたのか」という大きな謎がある。各国に届いた「声」の主が何か知っているのではと考えられているが、こちらについては調査があまり進んでおらず、まずはこの土地について調査を進めることとした。
転移してきた土地、その地中深くには、もとからあった土地があることはすでに判明しており、その詳細分析を行うことで世界の成り立ちが分かるのではと、双方の技術者は考えたのだ。

多くの地点で調査を行うにあたり、分析を迅速化するために魔術的分析を機械化する方法について議論していたちょうどその時、調査予定地の地中探査結果の速報が届いた。

「━━━━人工物?」
調査結果は、明らかに自然に出来たものではない、巨大な構造物が地中深くに存在する事を示していた。

呪文

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