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竜追いの手記。
それは竜に魅せられた一人の人間が残した一冊の手帳。
そして今より語られるのは その手記の一部となる...。

太古より住まう妖精なら 現存する竜について詳しいだろうと思い。
私はその日 妖精の楽土と呼ばれる とある森に訪問していた。

日中歩き回って探しても一向に妖精が見つけられず、
陽が沈んでからも探索を続けていた。
すると そう遠くない方から大きな衝撃音が聞こえ、
私はその方向に急いで駆け付けた。

目の当たりにした光景は 大暴れする樹の竜と、
それに対峙する数匹の妖精だった。

私は早急に手帳を執り 物陰に隠れながら観察し記録した後、
応戦に加わり 妖精達と共にその竜と戦った...。

夜明け前に戦闘は終了し 無事その場での討伐に成功した。
共闘した妖精に話を聞いたところ あの竜は長きにわたり蓄積した森の魔力の影響により、
老いた大樹が変貌した姿の存在だと言っていた。

そして妖精達が言うには 様々な生命が集うような大きな森や山では、
定期的に出現する存在であり 人知れずその森に住まう者達が退治しているのだとか。
また 春頃になると頻度が上がる事から、
妖精界隈では春の風物詩とされ 冬明の気合い入れに丁度いいらしい。

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