金曜日の夜、満月が彼らを照らす、
ニャワバリのプールにて、彼らはボールを手にして試合をする。
キンタマ水球、この競技は、通常の水球とは異なる。というのも、球役と投げ役の2人、しかも男女一組で行われるというもの、男性は金球を供給し錬成する。
そして、女性は金球を男性からもらい
コーティングして投げる。
その際に、左右どちらかが欠けてしまえば、例え、点数が勝っていても負けと判断される。
まさしく、キンタマと同じく、2個あって初めて成り立つからだ。故にキンタマ水球は通常の水球と比べ、バトル要素の強い種目となっている。
それは乃ち、2人が一心同体でなければ、
難しいことだった。愛の強さ、男女がどれだけ営み、命を滾らせてきたかが試される魂のゲームであった。
今日は、練習試合…対戦する相手は
文豪とナニモニャイ…
常連さんと満狐が、キンタマゴルフで知り合った仲である。
あの2人も愛の営みは欠かさず、むしろ、
彼らにおとらず、魂の熱量は激しい。
「文豪さん、私、胸小さい」
「気にするな、僕は胸の大きさで…全てが決まるんじゃない大事なのは、ここ、心の強さだ」
「文豪さん、うん!そうだね、ちっぱくてもやれるとこ見せてやるんだから!」
彼らの姿を見て、満狐たちは微笑む。
「相手もやる気まんまん、それに目玉焼きもくって、準備まんまん!いくぞ、満狐、僕のキンタマで君の球を供給するからね」
「こん!」
「こん!」
ハイタッチする、満狐と常連さん
満狐の内部は常連さんの愛で
満たされている。
「勝ったらまたしようね!」
「うん!そうだな満狐」
命の営みの約束をする2人、
そして、向こうは口づけを交わして、
試合に望む。
緊張の瞬間が、今、幕を開ける。
「それじゃあ、私、プロのピエロこと…九零時百絵論が審判を勤めます、それでは、キンタマオン!」
空へと投げられた球、
背が高いため、満狐に分があった、
常連さんはボールを受けとる。
水をかき分けて進む。
しかし、そこには既にナニモニャイが
「ドローニャン!」
「ぐわぁー!」
金球を奪われるそして、〈ドローニャン〉
の効果で、常連さんは一時機能不全に陥る。猫耳族は瞬発力があり機敏だ。故に隙をつかれてしまった。
「常連さん!」
「大丈夫だよ!キンタマは錬成できるから!」
常連さんはキンタマを錬成し、満狐に投げる
「コーティング!」
「うん!」
キンタマは持つだけでは意味がない、
包まれてこそ、その真価を発揮する。
「キンタマコーティング」
球がぬちょりと音をたてて濡れる
「あっ!あったかくて気持ちいい!」
触れた瞬間に満狐はワクワクが止まらなかった。常連さんの手によって錬成されたキンタマを満狐がコーティングして包む。
そして、その球をナニモニャイに投げつける。
「ナニモニャイ!あぶにゃい!」
「文豪さん!」
身代わりとなって、水しぶきをあげて倒れる。
「僕のことはいい、早く!」
コーティングされたキンタマは
通常のキンタマと比べて、
精神面に愛のパワーを相手に与える。
その場合、当てられた人物は
その愛の瞬間的映像を見せられ、
身悶える。
対抗するにはラブパワーを高め、
相手のラブパワーよりも強くあらねばならない。
故にっ!キンタマ水球とは相互の愛なしには語れない熱き運動なのだ!
「うん!決める、絶対に」
ゴールポストへとコーティングして金球を投げ込む。
金球とキンタマ、妨害用のキンタマと点数用の金球…
投げられた金球を、常連が錬成したキンタマで防ごうと投げる
「絶対に守ってみせるからぁぁ!」
満狐の雄叫びと共に黄金の球にオーラが宿る
同じくナニモニャイも
「決めてみせるんだぁぁ!」
黒いオーラに包まれゴールへ入らんとする。
そして、ぶつかる
キンタマと金球が!
その際、2人は己の内部に呼び掛ける!
愛する者と営んだ日々を球に込めて、オーラを送る。
「はぁぁ!」
「うわぁぁー!」
瞳を閉じて、互いに感じる
愛する人との炎のオーラを、気持ちを、
満狐は、満月の夜に…金球と共に
ナニモニャイは創作の夜に…金球と共に
2つのキンタマがぶつかり合ったその先で、2人の瞳の色が変わる。
これは!あれは!
互いの背中に翼が生える!
一人は黄金の翼、
もう一人は黒き翼、
玉は呼応し、空へと!
「私の魂(タマ)をこの玉にぶつける」
心臓のあたりが光る
「文豪さんの球を私の魂(タマ)で!」
互いの魂が球に注入される
激しくそして、壮大に…
猫耳と狐耳の螺旋が
ドリルのように交差する
「見てるだけじゃ駄目だ!満狐受けとれ、俺のキンタマだぁー!」
「ナニモニャイ!僕のキンタマを!」
両手に2つのキンタマを投げる
常連さんと文豪!
「これで決めてみせる!」
「文豪さんのためにも!」
「「うわぁぁー!」」
両手に2つの球を持ち、
中心で黄金と黒がぶつかり合う、
激しい風が重なりあい
そのさまをプロのピエロは…
「これは伝説のMANKOだ!」
MANKO、これは、決して猥褻なものではなく、互いの命が臨界点、愛する気持ちが天上の理を越えたときに発動する究極奥義なのだ。
「金球奥義(タマスプラッシュ)か…」
魂を弾けることで繰り出される技、
これは愛と時間と人生をかけなければ
生まれることのない、
最大の技!
「FullMoonAsalutNewKickOn!」
両方の拳のキンタマをひとつに集結させ、巨大な金魂を、ナニモニャイにぶつける
「BlackMoonAsalutNewKickOn!」
黒き魂を満狐に…
両者一歩も譲らず!
辺りは真っ白な光に包まれる!
「ナニモニャイ!」
「満狐ぉぉー!」
そして、2人はプールにおつる
決着は…
「両者戦闘不能…よって、この勝負引き分け!」
片方が動けなくなると、試合が終わる。
このルールは、愛する者を失わせないためのものだった。
そう、キンタマ水球は愛の種目
己の命がつきてしまえば炎は潰えてしまうだからこそ、彼らは…
互いの大切な人を抱き締める。
「満狐、僕のキンタマの力で」
「ナニモニャイ、私の力で」
互いの大切な人を、猫耳を狐耳に生命を与える。
「あっ…常連さん…」
「文豪さん、私、ごめん、倒れちゃって」
「そんなことないよ、満狐、僕は君に」
「ナニモニャイ、君の魂に僕は」
「「輝きを見たから」」
満月の夜が彼らを照らす
この経験は、例え、
困難な壁にぶちあたろうとも、
きっと力になるのだと信じて生きる。
『輝く君へ捧ぐ花』Song
https://suno.com/song/cb93a2dc-80af-42fa-a461-3e339162bdd4(猫メモ)
今日のラストキンタマです。画風は水彩画、SEEKERと水彩画はなんか、セル画のような感じがして気に入りました。
キンタマチャレンジ、色んな満狐さんをお見せすることができて楽しかったです。
なので、本作には自分の好きなものを金球奥義に込めました。狐耳、メカ、水着、貝柱満狐、満狐はキンタマ界隈の満月の存在として照らし続けたいです。
また、深夜枠の満狐さんを出せたのは最高でしたね。満狐さんだからこそ、全てを放出できたと生命力の漲る姿を描けたかなと思います。それは金曜日だからこそ、命が輝く、自由なんだというのは、この曜日だからこそ、感じることです。土曜日や日曜日だと創作の熱が上がらなかったかもしれません。故にQ-uiさんが発端となったキンタマチャレンジは私の心の中の自由を解放する場だなと本作を作って思いました。
満狐さんは最高ですよ、作ってて元気になれる夜も朝も昼も…、だからこそ、貝柱満狐の物語を作りたい!となるんですよね。
そういえば、なぜ、キンタマチャレンジにひかれるのか考えると漫画『玉キック』を読んでたからこそ、キンタマチャレンジへの意欲に繋がるのかなと思いました。この漫画は最高ですよ。特にキンタマを愛する者におすすめしたいです。