【樹海のかみさま】街の花嫁:儀式と拒絶
【ハーメルン掲載】紫陽花の季節に会いましょう著:樹海のかみさま ーメス堕ちENDを回避したい男の娘ヒロインは闇堕ちしてみることにしたー2章5話:街の花嫁よりインスパイア
「なに、こ、れ……」
月光色の宝石の如き瞳が今にも溢れ落ちそうなほど、彼女の瞳孔は開いていた。そして彷徨える目は僕の方を見た。意味不明だと言わんばかりの表情で、僕の肩を掴む。
「ねぇ、なに、あれ……違うよ、だって、花嫁ってもっと幸せで……周りがじゃなくて、本人がもっと幸せになるべきで……」
衝撃だった。
北湊の人間はみんな『街の花嫁』を見て賞賛する。狂ったように拍手し、その姿が見えなくなれば何事もなかったように日常に戻る。いいや、この光景こそが日常だと言わんばかりに、だ。
だから、彼女の反応は僕にとって衝撃だった。
「つき、がた」
「違うよ! あんなの、違うよ……」
飄々とした変人:月潟琵樹が、初めて人間らしいと思えた瞬間だった。あのかみさまの顔しているとは思えないほどに弱々しい表情と声音が、僕の心をざわつかせる。
だけど、今はとにかく彼女を落ち着けなければ。ダメなんだよ、この街でアレを否定することは、この街の全てを敵に回すということだ。
「どうしたの、琵樹?」
「夏葉ッ! 君はアレを!」
「月潟!」
焦る月潟の肩を掴み、僕は彼女に顔を近づけた。その桜色の唇に人差し指を立て、『静かに』というジェスチャーをする。角度的に海知たちからは見えていない筈だ。
月潟の乱れた呼吸音がよく聞こえる。彼女のあどけない顔が、僕を向いたままぴくりとも動かない。
「頼むから……静かに……」
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