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手紙だ! 読め! (剣道部主将)

使用したAI NovelAI
「下僕、手紙だ! 読むがよいぞ」従姉弟が妙に可愛い便箋をくれた。
「いつから俺はお前の下僕になったんだ?」
「ハ、ハ、ハロウィンの夜からなのだ。あの熱い抱擁を・・・」従姉弟が珍しくソワソワしている。
「お前アホか! 逃げる俺をエビ固めで拘束しただけやろが! あの時、冗談なしで三途の川が見えたぞ」
「ああ、すまんな。つい、駅前のチンピラたちと同じことをしてしまった・・・。とにかく手紙は渡すから読むのだぞ!」
従姉弟は何通かの便箋を押し付けて、あっという間に姿を消した。

予想はついたが従姉弟からの手紙は、まあ、ラブレターのよーなものだった。
のよーなものだったと言うのは、「お前が好き」とか大きく書いた後に昼弁当のおかずを増やせとか、おにぎりは3個で具はオカカとか、色気のない食い物要望文章が大半だったことだ。
おまけに、高校生のくせにやたら誤字脱字が多い。よく高校受かったなと思う。
中3の時、俺の両親が従姉弟が受験する高校を受験してくれと妙に強く推された。
偏差的には10も下がるので、どうかと思ったが最も近い高校だったし、小遣いを倍にすると聞いて了解してしまった。我ながら買収に弱い自分に後悔する。
もっとも偏差値を相当下げて行ったから勉強は楽で、300人中30番程度だから本当に上位だった。(従姉弟は200番代でコロコロしている)
翌日の朝に誤字脱字を添削して返却したら顔が真っ赤になったが、要望どおりの弁当を渡したら急に機嫌が良くなった。
こいつ剣道なら無敵なんだが、こういう案件では心配なくらいチョロイ。

つい最近知ったのだが、従姉弟と俺は許嫁だったらしい。なんか酒の席で男親が勝手に決めたとか。(なんつー親だ)
今時、許嫁かよと思ったが、俺の両親も従姉弟の両親も本気だったらしい。
あいつは、アホで胸はまっ平だけど強いし美人だ。まあ、変なところが可愛いからいいかと思っている。

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