狂いゆく仮想世界
昏倒してどのくらいたっただろうか。後輩ちゃんは体を起こした。
「あれ?…ここは…スライムの巣?…」
(でも…なんか…温かくて、…いい匂いがする…)
後輩ちゃんの目がとろん、として、徐々に虚ろになっていく。
「スライムさん…溺れた私を助けてくれたのかなあ…ありがとう…」
スライムがほのかに放つ魔力。それが後輩ちゃんを蝕み、狂わせつつあった。
「あれ?」
気がつけば、アバターの服が徐々に溶け…というより、歪み、変質・変形していった。
スライムのような粘性のある流体に変わり、体の表面を滴り落ちていく。
「ん…!!」
滴が敏感な胸の先を撫で、後輩ちゃんはビクリと跳ねた。
「どうして…?」
(そういえば先輩が何か言っていたなあ…)
デバイステスト開始前の先輩ちゃんの説明を思い出す後輩ちゃん。
『──このデバイスの作り出す空間は、VRゲームというより、半覚醒夢とでも言うべきものなの。
夢の中で、自分で夢を見てるなあ…って感じていると、夢の内容を変えられたりするでしょう?
あれに近い原理で、VR映像や音響、部屋の環境制御まで使って、使用者に仮想空間の夢を
見てもらうシステムなのよ。
逆に言えば、意識をしっかりと持たないと、仮想空間の状況に流されてしまう。
悪夢に似てるわね。でもこのデバイスは、脳に危険がないよう安全制御してるから大丈夫。
──つまり、ここからが肝心なんだけど』
回想の中で先輩ちゃんが近づいて、後輩ちゃんの瞳をのぞき込むようにその紅い目で見つめ、ささやいた。
『悪夢もきっと楽しめるわ。そんなときは、…力を抜いて、…リラックスして、…身を任せて』
先輩ちゃんの声が繰り返し頭の中に響く。
『…力を抜いて…』『…リラックスして…』『…身を任せて…』
思い出しているだけのはずなのに、後輩ちゃんの体から力がどんどん抜けていった。
(…あれ? なんで私、このこと忘れちゃってたんだろう…)
後輩ちゃんからの意志の力を失い、アバターの衣装が、どんどん変質していく。
(そっか…)
ついに髪飾りまで、スライム化して滴り落ちてきてしまった。
(私、…楽しめばいいんだ…)
=====
はー、はー、はー、…スライムきゅん、まずはGJ!
続きます…!
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