窓辺の天使 (エンジェル36)
かわいらしい癒やしボイスが響いたのは、成田から飛び立って2時間くらい、ちょうど一本映画を見終わって、ウトウトとしていた時だった。
天使「タラちゃんに、ヒトデちゃんって妹がいるんだって。ほんとかしら?」
天使は飛行機から振り落とされないためなのか、窓枠に手をかけて、そんなトリビア的なことを聞いてきた。というか、どうやって窓枠外したの?
天使「スネ夫にスネツグって弟がいるのは事実らしいから、ヒトデもあながち、ね」
したり顔の天使。だが、こちらは気圧の変化でそれどころではない。耳がキーンってする。
天使「ところで中島くんの両親が出てこない理由って知ってる? 実はね……」
ロスに着いたら話し聞くからさ、私は気を失う寸前、そう返すのが精一杯だった。
暗転。
呪文
入力なし