そうして彼女は寂しく笑った
その顔、その声、それは生き別れたはずの幼馴染だった。
生きていたのか、元気だったか、助けられなくてごめんな、
いろんな言いたいことが頭の中をぐるぐる回っては消えてしまう。
どうしてそんな姿をしているんだ、
どうしてそんな物騒なものを持っているんだ、
どうして戦っているんだ、
どうして……
「……出来れば、こんな姿見せたくなかったなあ」
……一緒に逃げよう。ようやく出せた一言を彼女は首を振って拒絶した。
「ごめんね、それは、できないの。これからもっと大勢の悪意が降る夜が来るから」
そう言うと彼女はゆっくりと燃え盛る街へと向う。
半分以上が機械に置き換わった身体がふわりと浮いて、
「さよなら、でもね。最後にあえてよかった」
そうして彼女は寂しく笑った。
呪文
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