帰還
任期を終えてすぐ夫と結婚し、子宝に恵まれた後も予備役中だった私は戦争が始まるとすぐに復帰命令に従う事になった、幼い娘には言っても伝わらないだろうと娘が寝ている時間に夫に全てを託して家を出た。
起きたら母親が居なくなっているのだ、辛い思いをさせたと思う。
戦地では機密漏洩防止の面から電子的な通信は禁じられていたため、毎週送られて来る夫からの手紙に添えられた娘の写真だけが心の支えだった。
そんな暮らしももう終わり、家に帰り庭に居た娘にただいまを言うと、私の顔を見るなり泣きながら駆け寄ってきた。
私は娘を強く抱きしめながら、ようやく戦いの終わりを実感した。
呪文
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