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荒神様と巫女

使用したAI その他
「すまなんだなぁ、この村にはもう荒神様のお眼鏡に適う若い娘がおらんで…」
伯父は申し訳なさそうにそう言った。
伯父のほうから彼女の家を訪ねてくることはあっても彼女のほうから伯父を訪ねて行くことは今まで無かった。初めて見る母の故郷は過疎化が進んでいて、人の気配のする家は伯父夫婦が住む母の実家と他2、3軒だけ、田畑も多くが荒れるに任されていた。
「そのうち村ごと山の神様にお返しせねばならんかなぁ。」
伯父は来た道を振り返りながら言った。神社の前から見下ろす風景は美しい。だが、人の息遣いを失った集落がゆっくりと死を迎えつつあることは誰の目にも明らかだった。彼女が引き受けた10年に一度の神事も恐らく今回が最後だという。
神事の内容は奇妙なものだった。期間は10日。その間神社の境内にある茅葺き屋根の屋敷から一歩も出てはならない。食事は伯父夫婦はじめ村の者が運ぶが受け取るとき顔を合わせてはならない。また言葉を交わしてもいけない。毎日朝と夕方に水垢離を取ること。神事の内容や屋敷の中で見たものについて一切口外してはならない。
最初の夜が来た。食事はいつの間にか運ばれ空の食器はいつの間にか下げられていた。水垢離も言われた通り取った。そして彼女は布団を敷いて寝ようとした。
灯りを消して暫くすると奇妙な気配を感じた。何かが足元に這い寄ってくる。生温かくヌルヌルとしたモノが内腿に這い上ってきた。彼女は驚いて飛び起きようとしたが、ヌルヌルが両脚に絡みついていて起き上がることが出来ない。やがてヌルヌルの1本が彼女の股間をまさぐり、膣内へと侵入してきた。彼女は驚きと恐怖と痛みで悲鳴を上げた。モノは彼女の全身をウネウネと蠢き、膣内にドクドクと白濁した液体を放った。彼女も年齢相応の性教育は受けている。自分の体内に放たれたものの正体に気づくと青くなった。そして彼女は発狂しそうなほどの恐怖と混乱の中で眠りについた。
翌日、彼女が目を覚ますと着衣にも布団にも乱れは無く、触手の放った粘液や彼女が当然流したであろう血の跡はどこにも無かった。ただ、秘部のズキズキとした痛みだけが昨夜の出来事を伝えていた。逃げ出したかったがこの屋敷には彼女以外に誰もいないし、窓や戸はピッタリと閉ざされていてビクともしない。
伯父に騙されたのか?いや、嘘をついているようには見えなかった。伯父をはじめこの集落の人々は本当に何も知らないのだ。彼女は絶望し、この奇妙な神事の巫女としての役割に徹することにした。
三度の食事と、水垢離と、得体の知れないモノとの交わり。それがここでの彼女の生活の全てだった。家族も、友人も、学校も、自分の家も、何もかもがゆっくりと意識の彼方に遠ざかりつつあった。そしていつしか、彼女は得体の知れない異形の『荒神様』との、時には全身をその体内に飲み込まれる激しい交わりに快感を覚えつつあった。
10日が過ぎ、屋敷の戸が開かれた。不思議なことに彼女は荒神との交わりを忘れていた。代わりに残されたのは誰もいない屋敷でただ食事と水垢離を取り神棚に祈りを捧げて過ごしたという退屈な記憶だけだった。どうやら荒神はその姿を巫女の記憶にすら残すことを嫌うようだ。
翌年の夏、村は集中豪雨に見舞われた。住民たちは老人ばかりの集落での生活再建を諦めて離村し、神社も廃社となった。
「神社の前で言ったこと、神様に聞かれてたかねぇ。」
伯父はそう言って寂しそうに笑った。

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