コスモポリタン
「ご相談、ですか?はい、勿論大丈夫ですよ。何なりとお話ください。」
「伝統や過去のしきたりにだけ縛られているのが、納得いかない。新しいことやアイデアが通らない・・・ですか。」
「うーん、そうですね。私も若輩の身ですし、バーテンダーという仕事柄、クラシックなスタンダードと、オリジナルやツイスト(アレンジ)の間で悩むことはありますね。」
「お客様、宜しければ次の一杯は私にお任せいただけませんか?ありがとうございます。度数は高めでも大丈夫でしょうか。はい♪承知いたしました♪では、少々お待ちくださいませ。」
・・・(カクテル製作中)・・・
「お待たせいたしました。コスモポリタンです(いつも以上に見た目怪しいです、どうぞご了承を・・・)」
「ウォッカとコアントロー、クランベリージュースとライムジュースをシェークして作るカクテルですね。やや甘目の味わいに、クランベリー・ライムジュースの酸味も加わって上品でフルーティーになります。」
「名前、聞いたことがおありでしたか。でも、実は歴史としては比較的浅く、誕生は1980年代と言われていて、比較的新しい部類のカクテルなんですよ。」
「海外ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」で登場人物がいつもオーダーしていたもので、そこから一気に人気になったと言われております。」
「そうですね。宣伝によって知名度が広まった点はあるのは事実かと。でも、美味しくて出来が良いカクテルだからこそ、ここまで広まったのだと私は思います。」
「どれだけ宣伝や広告を頑張ったところで、元が良くなければ広まりには限界があると思います。反面、どれだけ良い物であっても、宣伝や広告の力もあってこそ広まることがほとんどのケースとも言えるかと。」
「恐らくお客様はお考えや、アイディアがあるのだとお察しいたします。そこを広めるためには、周りの力をしっかりと借りて協力を取り付けるという点に目を向けられてはいかがでしょうか?」
「ふふっ♪何処か良い目をされているように感じますよ♪いえ、こちらこそ若輩者の意見に耳を傾けていただき、ありがとうございます。」
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すみません、またカクテルのイラスト、間が空いてしまいました^^;
キャプションの香澄さん台詞ですが、バーテンダー時代に尖りまくってた私に対して、先輩から貰った言葉を参考にして作っています。
当時は「良いモノが売れない、評価されないとか意味分かんない!」とか舐め腐ったこと思っていましたが、私の好きなカクテルから紐付けて指導してくれた先輩には感謝しかないですね。
このバイトで得た経験は今の仕事にも大いに活きていますし、今でも連絡取ったり会う仲の人間関係も出来て、大変だけど勇気出してやってみて良かったなぁと思います。
呪文
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