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穏やかな夏の空気に包まれた、かつての文明の名残に降り立つ若きフクロウ。
先駆ける者の過ぎた後か、あるいは崩壊が進んでいるのか。めぼしい品はありそうにない。

諦めて次へ向かおうとしたその時、瓦礫の下に何か光を放つものを見た。
それは、手帳型の記録端末であった。
淡い光を宿す無機質な表面にそっと触れてみる。黄昏の色にも似たその輝きが一段と強さを増し、液晶に文字を形作った。

――空が落ちた日――

そう題された日記。日付は2084年7月となっていた。終末事変の記録である。
チラチラと明滅する文字列を指でなぞって読み進めようとするも、肝心の本文が破損しており、それ以上の情報を得ることはできなかった。

エネルギーが尽きたのか、黄昏は深い闇に飲み込まれ、二度と起動することはなかった。
一人の人間が生きていた証。なんとなく手放しがたく思ったチヨは、端末をそっと鞄に滑り込ませた。

呪文

入力なし

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