教会の白くま① (白くま少女④)
同じ時刻、異なる場所で、一人の少女が祈りを捧げていた。
ニューナゴヤドーム近くの小さな教会。
白くま少女が一心不乱に祈りを捧げている、ように傍目からは見える。
だが彼女は別の目的でここにいた。
「アクセス開始……認証解除……特権モード移行……コア制御……」
彼女が小さくつぶやく言葉は、けして祈りの文言ではない。
(良かった、制御可能だ。みんなが場所を特定して、たくさんのパスを通してくれたから……)
白くま少女は少しほっとした表情を浮かべる。
(みんな、ごめんね。それは人類が持つべきものではなかった。みんなの思いを裏切ってしまうけど、神の繭は孵らない、孵させない)
呪文
入力なし
コメント
コメントをするにはログインをする必要があります。