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前編を未読の方は先にそちらからどうぞ。
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「それじゃあ……挿れますね……」
その言葉に、小さく首肯して応える。
彼は喉を鳴らして唾を呑むと、自らの性器の根本を持ってその先端を私の入り口に合わせた。
「あっ……」
──グチュリ……。
何もしてなくても分かるくらいに湿った秘部が、まるで沼地に足を踏み入れたような音を鳴らす。
「神官さんのここ……すごく熱くてトロトロで……こうしてるだけで、もう……」
「うん、勇者くんのもすっごく熱い……」
他の部位で触れ合った時とは明確に異なる熱が接合部から伝わってくる。
これが性行為なんだと、改めて実感させられる。
一回だけの、最初で最期の性行為。
──ズブッ……。
彼が腰を前に突き出し、私の中に分け入ってくる。
「んっ……ああっ……」
小さな穴を広げて、大きな肉の棒が少しずつ
強い圧迫感。
股座が裂けるような痛みもある。
――ズププッ……。
けれど、彼の苦しみに比べればほんの些細な痛み。
少しでもそれを和らげられるのなら、これくらいは耐えられる。
そうして彼の全てを受け入れるために力を抜いた瞬間――
――ズプンッ……!
「あああぁっ!!」
僅かな抵抗を打ち破って、彼のモノが最奥へと突き立てられた。
「は、入った……神官さんのナカに……」
本来は神にのみ捧げられた不可侵の領域を、遂にただ一人の男性へと捧げてしまった。
しかし、不思議と罪悪感はない。
それどころか、これまでのどのような行為にも勝る幸福を噛み締めていた。
「んっ……っ、はぁ……」
「し、神官さん……だい、大丈夫ですか……?」
「ちょ、ちょっと痛かったけど、大丈夫です……。勇者くんは? 気持ちいいですか……?」
「は、はい……神官さんのナカ……すっごい熱くてキツくて……ちょっと、言葉にできないくらい気持ちいいです……」
「ふふ……よかった……」
下では深く繋がったまま、浅く啄むような接吻を何度も交わす。
そうして少しして痛みと圧迫感にも慣れてきた頃に、ゆっくりと抽送が始まった。
「んあっ……あっ……ああっ……」
口から自然と甘い声が漏れる。
狭い道に隙間もなく詰まった肉の棒が、私の中を何度も何度も抉る。
その度に得も知れぬ感覚が、全身を駆け巡る。
頭の中で、星のようなチカチカとした光が明転する。
「神官さんと……神官さんとセックスしてる……やばい、これ……まじでやばい……」
一心不乱に私の身体を貪っている勇者くん。
男を受け入れた女としての本能なのか、それとも最初からそうだったのか。
今はそんな彼がたまらなく愛おしい。
彼がその男としての逞しい腕で私を抱きしめるように、私は自分の女の部分で彼を目いっぱいに抱きしめる。
ぴっちりと閉じていたはずの私の中は、既に彼の形へと作り変えられてた。
「ゆ、ゆうしゃく……もっと、もっとぉ……」
自分でも信じられないような、はしたない声が漏れ出る。
交接で快楽を得るのは、教義に則れば赦されざる罪。
それでも今だけは、この瞬間だけは、戒律よりも神よりも彼が大事だった。
もっと、全身で余すところなく触れ合いたいと絡み合いながら汗ばんだ服を脱いでいく。
「は、はい! いっぱいします! あの……もしかして神官さんも、気持ちいいんですか?」
手を伸ばして、汗ばんだ彼の頬に触れる。
一方的な享受ではなく、相手もそうであって欲しいと願うような表情。
「うん、気持ちいい……それに、初めてが君が良かったって身体中で感じてる……」
だから、私も心からの気持ちを伝えた。
「うっ……そ、それ……やばいっす……」
「ふぇ……?」
突然、彼の動きが止まる。
どうしたのかと身体から力を抜いた瞬間だった。
「ふぁあああああっ!!」
これまでにない激しい抽送で最奥を突き上げられた。
「ごめんなさい! 俺もう我慢できません!」
「あっ! あんっ! ゆうしゃくん! すごいっ!」
──パンッ、パチュンッ!!
肌同士がぶつかり合う音と、粘膜が擦れる音が部屋中に響き渡る。
これまでで一番強い快楽に全身が支配される。
「神官さん! 好きです! はじめて会った時からずっと好きでした!」
「わた……私も好き! 勇者くんのことが大好き!」
使命という蓋によって、永く封じられていた想いが堰を切ったように溢れ出る。
「神官さん……俺、もう……!」
両手で腰を捕まれ、抽送がより激しくなる。
それは精を私の最奥へと吐き出すという強い意志表示だった。
「うん……来て……全部、受け止めるから……私の中に、全部……」
「っ……神官さんっ!!」
「~~~~っ!! あっ、ああああぁぁっ!!」
今晩、最も力強い抽送で最奥を突かれたのと同時に頭の中が真っ白になった。
つま先から頭頂部まで。
大きな快楽の波にあらゆる感覚が流されていく。
――ドクンドクン。
残ったのは彼への愛おしさと幸福感だけ。
明日、全てが終わって後悔する前に……自分の本当の気持ちを知れてよかった。
――――――
――――
――
どれくらいそうしていたのだろうか、心地の良い重みで意識が戻る。
精も根も尽きた彼が私に覆いかぶさるように倒れていた。
身体の感覚が戻ってくると、自分の最奥に出された熱い液体の感覚がはっきりと感じられた。
確かな根拠があるわけではないが、自分が彼の子を宿したのだと本能的に理解していた。
まだ熱い子宮をお腹の上から擦る。
全てが終わったら、私はこの罪を受け入れて生きよう。
聖女としては失格かもしれないが、神の徒としてではなく、ただ一人の人間として。
彼がこの世界に生きた証を残すために。
「んっ……んん……」
彼も目を開けて、視線が合う。
たったそれだけのことで、これ以上はないと思った愛おしい気持ちが更に膨らんでいく。
「神官さん……その、ありがとうございます……俺、これで明日は――」
今宵の最初にそうしたように、立てた一本の指を彼の口に押し当てる。
「もう一回だけ……ね?」
そうして私たちは互いの存在を刻みつけるように、朝の日が昇るまで愛し合った。
*****
翌日、勇者一行は最後の決戦へと臨んだ。
「これが……魔王城……」
禍々しい瘴気を溢れ出す巨城を見上げながら勇者が呟く。
その時だった。
天より飛来した巨大な隕石が魔王城を粉々に破砕した。
魔軍十傑衆も魔侯八柱も四天王も魔王も第二世界で待機中の真の魔王もエピローグ後の裏ボスも、全てが塵芥となって消え去った。
瓦礫の山と化した魔王城を、呆然と見つめる勇者と聖女に天啓が降りてくる。
『ええもん見せてもらったからお礼や! ほなまた祝勝ラブラブエッチ編でな!』
サンキュー! 太陽神アポロン!
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ビターエンドにはしたくなかった(言い訳)
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