夕陽に染まる摩天楼[1]/スマホ壁紙アーカイブ
川沿いを歩きながら、ふと見上げた空は燃えるような橙色だった。
摩天楼たちは夕陽に染まり、まるで巨大なキャンバスのように刻々と色を変えていく。
ガラスの壁が沈みゆく太陽を映し、世界中の光を集めたかのように街を照らし返していた。
橋を渡るたび川面に映る光が揺れ、足元さえ夕陽の一部になったような気がした。
すれ違う誰もが無言のまま、この一瞬を胸に刻もうとしている。
やがて空の端から群青が忍び寄り、ビルたちの影は長く伸びて川を跨いだ。
街は昼の喧騒を手放し、夜の静けさを受け入れる準備をしている。
それでも摩天楼たちは最後の一瞬まで、
太陽の残り火を抱きしめるようにその身を赤く染め続けた。
呪文
入力なし
コメント
コメントをするにはログインをする必要があります。