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アノマリィの出現により、各陣営は混迷を極めていた。
極めて攻撃性の高い奴らは、旅人・黄昏梟・越夜隊構わず攻撃をしかけていた。
しかも、神の繭に近づけば近づくほど数が増加し、とても近づける状態ではなかった。
それでも何とか撃退し侵攻するアンナローズ派の越夜隊ではあるが、現在はさらに大きな個体と接敵したとの事だ。

苦戦を強いられているのは”彼ら”黄昏梟も同様だった。

「どーしたんスか、先輩」
「通信だ…ん、これは」
今は誰も使っていない古い、懐かしい暗号通信。
この通信コードを知っているのは、今はもう”一人”しか知り得ない。
その人物は―――
『お久しぶりですね、”主任”。まだお元気そうで何よりです』
「…ルミナスか、今こちらは忙しいんだ。何の用だ」
彼の口からルミナスの名が出たことに驚くリサーチャだが、当の彼はまるで予期していたかのように落ち着ていた。
『この状況で思い出話でもすると思いましたか?ご希望ならあなたの子供の頃の話でも―――』
「要点を言え。どうせアノマリィの事なのだろう?」
あらあら、と言葉と共にルミナスは態度を崩さず言葉を続ける。
『話が早くて助かります。現在我々は例の生物、アノマリィと交戦状態にあります。アナタ方も見たでしょう、あの異形の生物を』
神の繭周辺に出現したアノマリィ達は、近づく者を無差別に攻撃している。
その攻撃性の高さから、黄昏梟側でも手を焼いていた。
『あれは私たちにとっても、アナタ方にとっても共通の敵…。此処は暫し共同作戦といきませんか?』
ルミナスからの提案に考え込むエクスプローラだったが、彼の言葉より早くリサーチャが反応していた。
「冗談言ってんじゃないッスよ!アンタと組むなんて御免被るッス!」
『あら、彼との二人っきりの通信に無理矢理割り込んでくるなんて、焼いてしまいましたか?』
一応セキュリティの高い通信回線なのだが、難なく突破してみせたリサーチャはルミナスの提案に苦言を呈した。
「くだらない事いってるとぶっ飛ばすッスよ!?ともかく、アンタと共闘なんて絶対しな―――」
「わかった、協力しよう」
思わぬ彼の言葉に思わずギョッとするリサーチャ。
『本当に話が早くて助かりますね。そこの”型落ち”とは大違い』
「はぁ!?なんでこのババアと協力するんスか!」
納得いかないとばかりに食いつくリサーチャを制止させながら、彼は言葉をつづけた。
「共闘というのなら持っている情報を寄こせ。それが俺からの条件だ」
『いいでしょう。こちらが持っている情報をアナタ方に提供しましょう』
淡々と話が進んでいく光景に、堪らず口を挟むリサーチャ。
「ンンンンンンンッ!!わーったスよ!おいババア、協力してやるけど条件があるッス!」
『あら、何かしら?』
「あの”狂犬”の手綱だけはちゃんと握っとけよ!?後ろから斬られるとか御免被るっス!」
『えぇ、約束するわ。アナタ達に危害が及ばないよう言っておきましょう』
そう言って切れた通信に、リサーチャは深いため息をついた。

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