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相棒のようすがおかしい (4)

使用したAI NovelAI
「困るんだよねぇ。もう少し、しっかりしてくれないと」
「す、すみません」
「ふんっ!!」

俺から荷物をふんだくると、男は玄関のドアを荒々しく閉めた。横柄な態度にイラっとくるが、ミスをしたのはこちらの落ち度だ。

「……ご、ごめんね、セイル」
「いいって、気にすんな」

肩を落としたミアが、横でしゅんとしている。
あれからというものの、ミアの様子はどこかおかしい。話しかけても上の空で、ぼーっと考えごとをしていることが多い。激戦の疲れを取るため、町でできる仕事に切り替えていたのは幸いだった。
それでいてミアは、自分の不調を決して認めようとはしない。無理をしてるのは明白なのに、こっちが尋ねても空元気で誤魔化そうとするばかりだ。

「つ、次は手紙の配達だったよね。今度は気をつけるから……」
「ミア」
「ひゃあぁっ!! ななななな、何っ!?」

肩を掴むと、ミアは大げさにしっぽを跳ねあがらせ、身体をびくつかせた。弾けるように振り向いた頬は、真っ赤に紅潮しており、伝わる体温も熱い。
……これは、重症だ。もう少し様子を見ようなんて、思った自分が馬鹿だった。

「行くぞ、ミア」
「ど、どこにさ?」
「宿屋だ」
「う、うえぇぇぇぇぇっ!?」

狼狽える様子を無視して、有無を言わさず両手で抱え上げる。火照ったように熱く、柔らかい太ももの感触が伝わってきたけど、そんなの無視だ。

「な、何考えてんの、セイル!? い、依頼はどうするのさ!?」
「そんなもんキャンセルだ。誰かに代わってもらう」
「ぼ、ボクは大丈夫って言ってんじゃんか! やだ、離してってば! はーなーせーっ!!」

暴れて抗議するミアを、強引に宿屋へと連れ帰る。こんなになるまで無理してたミアと、放っておいた自分。その両方に、俺は苛立ちを感じていた。
酒場で待機してた非番のメンバーに事情を話し、依頼を替わってもらうことにした。その代わり、割高の料金を交換条件で要求されたが……。
何故だかにやにやと笑ってるメンバーに見送られ、俺は寝室へと向かった。ようやく観念したミアの靴を脱がせ、ベッドの上に彼女を横たえる。

「え、えっとね、セイル……その、セイルの気持ちは嬉しいけど、いくらなんでも、急すぎて心の準備が……」
「今さら遠慮するような仲じゃないだろ、ミア」
「ぇ……ぁ、あぅ……」

顔を真っ赤にしたミアの身体に、布団をかけてやる。昔からしてるみたいに頭をぽんぽんと撫でてやると、ミアはきょとんとした表情を浮かべた。

「……へ?」
「ったく、具合が悪いんなら最初から言えって。短い付き合いじゃないんだから、それぐらいは俺にだってわかる」
「え? あ、えーと……」
「辛いんだったら、ちゃんと相談しろ。俺たちは相棒同士だ。違うか?」

ミアは目を白黒させたかと思うと、俺におそるおそるといった様子で聞いてきた。

「……ね、ねえセイル。もしかして、ボクが風邪か何かでこうなってるとか……そう思ってたりする?」
「違うのか?」

やがてため息をつくと、ためらいがちに口を開く。

「……っ……ょぅ、き……だよ」

消え入りそうな声で何かをつぶやくが、全然聞き取れない。

「すまん、ミア。もう少し、はっきりと言ってくれないか?」
「っ、〜〜〜〜〜〜っ!!」
「……ミア?」
「はっ……発情期、だよっ!!」

……はて。

はつじょうき。
発情期って……そう言ったのか、こいつは。

「は、発情期ぃぃぃぃっ!?」
「言い直さないでよ、バカぁぁぁぁっ!!」

涙目になったミアの投げつけた枕が、俺の顔面に直撃した。

呪文

入力なし

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